私は ただ









好きな小説の七行目を読んでいたら

きみが唐突に言った

「どこかへ行って 自由になりたい。」

そして 私の目を見て 言った

「お前だって そう思うだろう?」

私は困った 返事に困るわけではなくて

きみの不穏な瞳や高鳴る心を

受け止めきれないと分かったから。


椅子に座って食事をする。

きみはいつもと変わらずに食べている。

でも、本当の意味で きみは今ここにいない。

私はただ、きみと一緒にいたいのに。


好きな小説の終盤を読んでいたら

きみが遠くで笑っているのが見えた。

海の先を 澄んだ空を 永遠に続く道を

きみが見つめている。


後ろで誰かが呼んでいる。

私ときみの名を誰かが呼んでいる。


さぁ、帰ろう。

二人の願う あの場所へ―――。








~中原はぐ~








~はぐの言葉~


「そばにいたい。」

きみの幸せを祈り きみの存在に誓う。

私は そばにいたいだけなのに。

いつまでも そばにいて 手を繋いで、

朝日が眩しいなかで 明日を見て、

きみと 一緒に。


詩のテーマですにっこり













今後ともよろしゅうですピンク薔薇