ワニはこんなにオモシロい。ワニの進化についての1冊 | 化石の日々

化石の日々

オフィス ジオパレオント代表のサイエンスライター 土屋健の公式ブログです。
化石に関する話題,ときどき地球科学,その他雑多な話題を書いていきます。

今回は「ワニ」についての1冊を。久しぶりに和書です。

ただ今、土屋は技術評論社から 「 生物ミステリー プロシリーズ 」を刊行中です。
このシリーズ を執筆するにあたり、和洋問わず、さまざまな文献を参考にさせて頂いております。その中で、シリーズ既刊の参考書籍から、Amazon.co.jpで購入可能な書籍(で、このブログでまだ紹介していなかったもの)を、2015年の1月から順次紹介しています。

今回は、


   


で参考にさせていただいたこちらを。



北海道大学総合博物館で2013年に開催された「巨大ワニと恐竜の世界」にあわせて制作された1冊です。著者は、恐竜研究者として有名な小林快次博士。
A4判、ソフトカバー、81ページですから、いわゆる「ムック本」に近いつくりとなっています。

本書はワニの進化史をメインに据えられた1冊です。
まず、これが和書としてはかなり貴重。

ワニ類の祖先を含むグループに「クルロタルシ類」という、初期の恐竜たちと“覇権争い”をしたコたちがいます。本書はまずそのクルロタルシ類に関する記述からはじまって、ワニ類がいかに進化してきたのかを追いかけていきます。
「ワニの王者」ことデイノスクス(Deinosuchus)にもしっかり6ページ割かれており、結構“胸熱”です(^^)

「恐竜だけじゃない、中生代の爬虫類」。そのことを再確認できるでしょう。

分類名などの専門用語が散りばめられていますが、文章自体は読みやすいため、幅広い読者層の方が楽しめることと思います。
「専門用語があるのかー。どうしようかなー」と思って迷われている方は、それこそ上記の拙著をご覧頂いたのちに、本書のページを開くとより深みを味わえるかもしれません(^^;

ただし、本書は2013年7月25日付で刊行されていますが、翌8月13日付で版元さんから「正誤表」が出ている点にご注意。
いくつか誤りがあるようですが、大きなところでは、「原顎類」などは「原鰐類」などの誤植であるという点があります。「顎」が正しくは「鰐」ですね。
正誤表もあわせて入手されると良いと思います。Amazon.co.jpでは、親切な方のレビューにて正誤表が挙げられていますね。


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ちなみに、冒頭で紹介した4冊は、Boxセットで一括購入も可能です!

私が知る限りは結構、希少で、Amazonでも入手できるチャンスは限定的かと。