科博リニューアルオープンの内覧会に行ってきました | 化石の日々

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オフィス ジオパレオント代表のサイエンスライター 土屋健の公式ブログです。
化石に関する話題,ときどき地球科学,その他雑多な話題を書いていきます。


(内覧会配布資料より)

国立科学博物館の地球館「北側部分」がこのたび、リニューアルされました。
7月13日に開催された内覧会に行ってきましたので、その報告です。
主として古生物関連を中心に紹介します。

今回のリニューアルで、「子連れに優しい博物館」色が出てきたと思います。
小学生以下のお子さんがご家族にいらっしゃる皆様、要チェックですよ!


順番に解説していきますね。

まず、1階。
入口付近に「地球史ナビゲーター」というオシャレ空間ができました。



中央で迎えてくれるのは、アロサウルス(Allosaurus)。
1964年に日本で初めて全身を復元して公開された、科博の象徴ともいえる標本です。
頭と尾を水平にした新モデルとして登場。



周囲には巨大なスクリーンに生命史などが表示され、関連標本が展示されています。





床には、地球史の要所要所の数字が……。この帯の両端がどうなっているかは、ぜひ、来館されてご確認ください(^^



このフロアのおすすめは、始祖鳥(Archaeopteryx)、サーモポリス標本のブロンズ標本。



始祖鳥の標本なんて、そう簡単に触れるものではないですが、こちらはオリジナルを型取りしてつくったとかで、指先で触って、羽毛の状況などを感じることができます。
これは、触らねばなりますまい(^^

おそらく恐竜ファンのみなさまが気にしているのは、地下1階。
恐竜展示の更新でしょう。こんな感じにかわりました。



恐竜博2011で登場した、新復元(いわゆる藤原復元)のトリケラトプス(Triceratops)と、しゃがむティラノサウルス(Tyrannosaurus :愛称「バッキー」)が向かいあっています。



他にも、非常によくできたミクロラプトル(Microraptor)の複製や、一目で発見部位がわかるパキケファロサウルス(Pachycephalosaurus)の展示、卵を抱えるシティパティ(Ctipati)なども新登場。



そして最新部にあって、何気にすごいのは、K/Pg境界の地層はぎ取り標本(写真右)がありました。写真には写ってませんけれど、この展示の上のモニターには、このはぎ取り標本から採取された衝撃石英なども表示されています。




さて、科博といえば、世界第2位の保存率をもつことで知られるティラノサウルス標本、愛称「スタン」でしたが、このスタンは恐竜ファンの“大人”にとって悩ましく、そして家族連れにとっては嬉しい3階へ移動しています。

ここが「子供連れに優しい空間」という、博物館としては珍しいコンセプトになっています。

3階は「親と子のたんけんひろば コンパス」。



この空間、なんと、子供とその保護者専用です。しかも、整理券制
ここでいう「子供」とは、未就学児を推奨で、小学生も可。
中学生以上に関しては、「保護者としてカウント」とのことです。すなわち、中学生以上は、小学生以下を連れていないと入ることはできません。

そんなお部屋にスタン。
しかもスタンの脇には、幼体ティラノ。



この幼体ティラノは、近縁のタルボサウルス(Tarbosaurus)の幼体化石をベースとし、ティラノサウルスにあわせるようにコンピューター上でつくられた骨格を3Dプリンターで出力したというもの(幼体ティラノの化石そのものは未発見です)。

また、上の部屋の画像をみるとおわかりかもしれませんが、部屋自体がちょっとしたアスレチックになっており、スタンの頭骨のすぐそばにまで行くことができます。
こんな感じ↓



めっちゃ近いです。
ちなみに、今日は内覧会なので、大人もアスレチックを「どうぞ、楽しんでください」と言われました。まあ、実際に、保護者の方も楽しめるようになっているのかと思いますが、低い天井やロープの橋など、私自身は久々に見ました。
ちょい汗をかきましたよ(^^;

上の画像にあるように絵本なども用意されています。
ティラノだけではなく、現生動物の剥製群も展示されていて、これは親子で得難い経験ができそうなエリアとなっています。

なお、上述したように、このお部屋に入るには入室整理券が必要。
入室整理券は当日発券のシステムで、発券機は1階入口近くのこの機械(↓)で発券されるようです。


(モニター下の2台の端末がそれ)

1回45分の入れ替え制で、1日6回の発券があるようです。
今日お話を聞いた限りでは、当面は1回45名を最大値とされているとのことですから、結構、競争になるかもしれませんね。

ちなみに上のモニターで、どの回が空いているかわかるようです。

開館情報などは、公式ホームページでご確認ください→ http://www.kahaku.go.jp/

ちょうど 生命大躍進展 も開催されていますし、あわせて楽しみたいところ。




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