『生命大躍進』展の内覧会に行ってきました | 化石の日々

化石の日々

オフィス ジオパレオント代表のサイエンスライター 土屋健の公式ブログです。
化石に関する話題,ときどき地球科学,その他雑多な話題を書いていきます。


(図録。……分厚い)


7月7日から開催される 生命大躍進展 の内覧会に行ってきました。
会場は、上野の国立科学博物館です。

生命史そのものをテーマにした企画展で、世界から良質の実物化石がやってきているというのがポイント。
NHKスペシャルを見た人も、見ていない人も楽しめる内容です。
ちなみに、当オフィスの土屋が、パネルの編集をちょっとお手伝いしています。

本展の最初の見所は、入口入っていきなりです。
エディアカラ生物群などの展示を経て、
アノマロカリスのコーナーがあります。



やってきました。アノマロカリス(Anomalocaris)の良質標本。



拙著 エディアカラ紀・カンブリア紀の生物 (生物ミステリー (生物ミステリープロ))  の表紙でも使わせて頂いているこの標本。実物です。
その他にも「完全体」標本や、「口」の標本など、みんな実物。
さすがの迫力。惚れ惚れします

アノマロカリスの周辺は、バージェス頁岩動物群の標本コーナーで、ハルキゲニア(Hallucigenia)やオットイア(Ottoia)など、今まで本やwebでしか見たことのなかったアノ標本がやってきています。

その中で、とくに圧巻だったのは、オパビニア(Opabinia)の標本。
見てください、このクオリティ



眼が、ノズルが、はっきりと確認できます!
これは、ぜひご自分の眼で見ていただきたい。

……とここまで、ついノリノリで報告してきてしまいましたが、今日のメディア関係者の動きを見ても、「価値を知っていないと楽しさ半減」がとくにこのコーナーの展示です(ん~、もったいない)。

たとえば、拙著 エディアカラ紀・カンブリア紀の生物 (生物ミステリー (生物ミステリープロ))  などを事前にお読み頂くと、いっきに楽しさが増しますよ(^^

また、今日のメディア関係者にあんまリ注目されていなかったけれど、これもおすすめ。
全長2.2mのウミサソリ標本。これも実物。



プテリゴトゥス類の「アクチラムス(Acutiramus)」。
来日はたしか2度目でしたっけ?
新宿ミネラルショーでやってきたコだと思いますが、今回は、カナダのロイヤル・オンタリオ博物館のコレクションとしての来日です。

他にも、最古の真獣類とされる「ジュラマイア(Juramaia)」の実物化石が、隣に復元模型を伴ってやってきています。こちらも ジュラ紀の生物 (生物ミステリー(生物ミステリー プロ)) を先に読まれることをおすすめします(^^;




ほか、有名どころでは、「イーダ」の愛称をもつ「ダーウィニウス(Darwinius)」などが見逃せないポイントです。これは、拙著はまだ新生代に到達していないので(^^;、というよりも、むしろ ザ・リンク―ヒトとサルをつなぐ最古の生物の発見 を読んでおくと楽しいかと思います。



いずれも実物化石。
じっくりとご堪能できる時間帯での訪問がおすすめです。
なにしろ、微細な構造を楽しむことが、とっても大切と思いますので。

なお、会場には、迫力の復元模型が随所にあり、



拙著 石炭紀・ペルム紀の生物 (生物ミステリー (生物ミステリープロ)) でも撮影させていただいた佐野市葛生化石館のイノストランケビア(Inostrancevia)標本や、



なんとイクチオステガ(Ichtyostega)の頭骨の実物



なども展示されています。
他にも初期四足動物の足跡化石などがあります。
このあたりは、デボン紀の生物 (生物ミステリー (生物ミステリープロ)) を先に読んで頂くと、楽しみを増やして頂けるかと。

古生物ではないけれど、NHKスペシャルで登場したこの樹も展示されていますし、



話題としては、ギフトショップに30万円のウミサソリの実寸代ぬいぐるみがありました。


じっくりとゆっくりと、良質化石を楽しむ。
そんな企画展です。

全国巡回だと一部レプリカにかわるとのことで、できれば、科博で実物をご覧になることをおすすめします。

詳細は公式ホームページで



ちなみに、音声ガイドはクリリン(ルフィ(キャスバル))の声優、田中さんによるもので、さすがだなあと思いながら聞き入りました。



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