コンサルティングファームで仕事をするいい点の2つ目です。
それは、仕事のレベルが上がるということです。
これは仕事の実力がつくという事ももちろんですが、それ以上に、自分の仕事のクオリティの基準が高いレベルで完成し、どんな仕事も高いレベルでこなす意識ができるという事です。
ビジネススキルは本でも学べますが、高いレベルで仕事を遂行する意識は、教えてくれる人は極めて少ないと言えます。
コンサルティング業界はこれを身につけられる限られた場なのです。
さて、この仕事のレベルに関する意識ですが、どれくらい差があるのでしょうか?
例えば他の会社にサービスを売りにいく場合の提案書を作るとしましょう。
中堅社員がその資料作成を担当する場合、目安としてはこんな所でしょう。
(1)勝てる提案書レベル
コンサルタントが目指す提案書の多くが、このレベルです。
コンサルタントは、相手が何に困っているのか?何を知りたいのか?など、クライアントサービスを通じて論点を外さない癖がついているので、レベルの高い提案ができます。
(2)いいと思ってもらえる提案書レベル
外資系企業のマーケティング担当などの提案書はこのレベルが多いと思います。提案はこなれています。ただ、経営者や責任者目線での課題把握力はコンサルタントよりも劣る事が多く、自分はこれがやりたいという主張が前面に出る事が多い傾向にあります(このタイプの提案が好きというお客さんもいます)。
(3)理解してもらえる提案書レベル
提案書というのは、言いたい事を理解してもらうように作るだけでも一苦労ですので、実は世の中の提案書の多くがこのレベルです。このレベルを達成した時点で満足してしまうのです。ただ、言いたい事は分かるけれど、説得されるようなものが何もないというレベルでもあります。
残念ながら、規模の大きな企業の担当者は、こうしたレベルの提案書を作る人が多いように思われます。原因は色々あるのでしょうが、大きな理由としては、大きな組織であればあるほど業務が細分化され、提案一つにせよ、すべてを1人でやりきるという事が極めて少なくなることでしょう。
結果として、提案書のレベルをどんどん高めていくというよりは、他の関係者との合意形成に時間を使う事になります(大企業においては、資料の室よりも合意形成が非常に重要な仕事だからです)。
(4)理解するのが一苦労の提案書レベル
説明してもよくわからない、という提案書はそうあるものではないのですが、言いたい事と提案書に書いてある事が一致していない事というのはよくあります。そういう場合は、聞き手がポイントを押さえた質問をしてあげないと、お互いの理解が食い違ったまま終わってしまうという事が起こりますが、そういった原因となる資料のレベルがこれです。
資料でコミュニケーションをする内勤の職種の場合は、さすがにこのレベルはあまりないのですが、通常は口頭ベースで会話し、あまり提案する経験がなく、しかもそれほど多くの人の目に触れない場合はこういった資料に甘んじるケースがあります。具体的には、大手企業の営業職がこの危険があります。
企業ごとに、またビジネスパーソンごとに差がありますので、あくまでこれは傾向でしかありませんが、コンサルタントが高いレベルを目指している事がよくわかるのではないかと思います。
そもそも、理解してもらうのは当たり前で、勝てる資料を目指しているのです。
自分の中にできた仕事の水準は、転職をしても失われず、財産となります。
キャリアの早い段階でこの水準を作っておく事は、成功する上で大切な事となります。
