「舟を編む」
三浦しをん著
光文社文庫、2015年3月発行
(ハードカバーは2011年発行)
玄武書房という出版社の辞書編集部(といっても正社員は3人!)が、『大渡海』という中型国語辞典を完成させるべく、奮闘する物語。真摯でありながら、とぼけた味わいで、とても読みやすく面白い。
いや、ほんとうに、言葉の意味を辞書で確認するのって大事ですよね。ブログを書いていると、普段は使わない言葉がふっと浮かんでくるので、そういうときは、意味あってるっけ〜と確認します。
私の持っている紙の国語辞書は、高校の時に購入した小型の岩波国語辞典ですが、三浦さんが小説を書くにあたって取材した先の一つが、岩波書店辞典編集部ということもあり、物語の最初の方に「きわめて端正で上品な辞書」で、「ちんちん」を引いても、語釈には犬の芸と湯の沸く音についてしか載っていないとあります。そこで実際引いてみたところ、その通り。
現在放送されているNHK BSのドラマでは、原作も十分に取り込みながら、より言葉によるコミュニケーションに焦点を当てています。全10話ということで、もう少し楽しめそうです。ドラマが終わったら、映画も見ます。
ちなみに、「舟を編む」は英語に翻訳されており、読んでみたいです。どんな風に訳されているか気になります。