「夏に凍える舟」
Rörgast
ヨハン・テオリン著、三角和代 訳
(早川書房、2016年4月発行)
オリジナルは2013年出版
ヨハン・テオリンによる秋冬春夏の四部作、最終作の「夏」。舞台は前三作と同じスウェーデンのエーランド島。
今回は、四部作の中心人物イェルロフの少年時代から始まります。墓掘りのアルバイトで死者の埋葬を手伝いますが、埋めた棺からノックする音が聞こえたのです。この経験は彼の心に深く残り、エピローグまで付き纏います。
また、小さい頃に「あたらしい国」に行かなかればならなかった少年が、老人になってエーランド島に戻ってきます。彼の数奇で苦難に満ちた人生が丹念に描かれ、読み応えがありました。
そしてラストが最高でした🚣!
残念なのは、今回の解説は訳者ではなく、評論家だったこと。今までは原題の意味が説明されていましたが、それが無かったのでネットで検索。「船乗り、舵取り役、海の幽霊、不吉な存在」などの意味を持つことが分かりました。
四部作を読み終わって、やっぱり書かれた順番に読んで良かったと思いました。様々な登場人物たちの思惑や言動が絡み合っていく様子が面白く、堪能しました。
また、イェルロフが超自然的存在に対して、距離を置きながらも完全に否定はしない態度が賢者のようで、勉強になりました。
☆☆☆☆☆
またまた、ポケットミステリーブックで、面白そうなものを見つけてしまいました。今度は三部作。近いうちに読みたいと思います。
