On the Road by Jack Kerouac

出版されたのは1957年

 

 

先日、私の一番長い長い積読本、ジャック・ケルアックの「オン・ザ・ロード」を原書(英語)で読み終えました。正直、読了は無理かもと思っていたので、感無量。というわけで今回は長文。

 

購入したのは大学時代。滑り出しは良いのだが、途中で読めなくなる。こういうのが何年か続き、その後長らく放ったらかし。一昨年くらいに、また挑戦。そして読了に至る。一日、一行しか読めなかった日もありました。さすがに第5部は短くて最後の章なので、一気に読みましたが。

爆笑

 

日本語でも英語の本でも、読めないと思ったものは、途中で止める場合がほとんど。この本だけは、翻訳でなく原書で、そして最後まで、どうしても読みたかったのです。理由は分かりません。たぶん意地。

 

読めなかった理由の一つは、私の英語読解力不足です。俗語が多いのですが、一々調べていたら、それこそ一生読み終わらないので、推量しながら読んでいく。俗語に限らず、特に気になった単語と句動詞以外は、基本的に辞書を引かずに読みます。

 

なので、内容を理解しきれていない箇所があると思いますが、大目に見てください。

にっこり

 

舞台は1940年代終わりのアメリカ。Sal Paradise という青年が語り手です。主に東海岸のニューヨークから西海岸のカリフォルニアまで、一人で、あるいは友人達と、ヒッチハイク、バス、車で旅をする話。

 

この話の主人公は Dean Moriarty で、彼に始まり彼で終わる。第1部・第1章の出だし、 I first met Dean not long after my wife and I split up. 第2部・第1章の出だし、 It was over a year before I saw Dean again. 最終章第5部の出だしは、Dean drove from Mexico City and... で、締めくくりが ...I think of Dean Moriarty, I ever think of Old Dean Moriarty the father we never found, I think of Dean Moriarty.

 

このDeanの性格を表す形容詞が "mad"、イカれているということです。始終落ち着きがなく興奮気味、奇声を発しています。当然彼との旅も滅茶苦茶で、基本的に、アルコール、マリファナ、女性といたすこと、ときに肉体労働をして、留置所にも入ります。

 

こんな旅なので、食傷気味で進まない。早く終わりにしたい、旅の最後には辿り着きたいが進まない・・・ううう・・・

ネガティブ

 

でも、最後まで読んだ甲斐はありました。この恐ろしいほど広大なアメリカで、特に夢や目標もなく、才能もなく、趣味もなく、エネルギーだけを持て余している若者の苦悩が少しは分かった気がします。

オエー

 

1991年の映画「マイ・プライベート・アイダホ」に出てくる、アメリカの果てしない風景、どこまでも続く道路を思い出しました。

 

ところで、時に登場人物の名前は、何らかの意図をもってつけられることがありますが、Dean の苗字、Moriarty はシャーロック・ホームズの宿敵、モリアーティ教授と同じ綴りです。そこが気になっていたのですが、第2部第6章で、Sherlockingという、シャーロック・ホームズの名前が動詞として使われている場面が出てきます。

 

ここは、Deanが交通違反をして、警官に尋問されるところ。警官がボロが出るのを期待して、アマチュアのシャーロック・ホームズみたいに同じ質問を二度した、という場面です。ということは、やっぱりモリアーティ教授から命名したのかな。Deanは、せいぜい小悪党ですけど・・・

 

 

 

翻訳本を読む予定はありませんが、解説は読んでみたいです。翻訳だと結構な厚みですが、原書ペーパーバックは、そこまでではない。