今回は、「パディントン妙技公開」です。
マイケル・ボンド作、ペギー・フォートナム画、松岡享子訳、福音館書店。日本での初版は1989年。前回が1977年ですから、だいぶ時間が経っています。オリジナルは1966年発行。
「パディントン妙技公開」は短編で構成されています。内容を要約すると
1 ペルーからイギリスへ帰る船の中で
2 船でのパーティーで
3 株を買わされる
4 証券取引所で
5 カリー氏の台所が!
6 床屋での出来事が!
7 ジュディの学校へ行き、妙技公開
パディントンは前回の最後で、ペルーに行くことになったのです。また、イギリスへ戻ってきました!
3と4で株と証券取引所が出てきますが、お金に強い関心があるパディントンならでは、と思います。パディントンって、商店街では必ず値切るし、つまらないものにお金を使ってしまった時は、ものすごい憤慨します。子供も読む本の主人公としては、ここまでお金に執着する性格はかなり珍しいのでは。
6はグルーバーさんとパディントンの友情が素敵な話。二人がココアを飲む絵がありますが、この絵のポストカードを部屋に飾っています(p.146)。実は、いつもの「お十一時」ではなく、夜なのです! そしてグルーバーさんの最後の言葉に、じーんとしてしまいます。