酸素ができ始めた時代
地球のできた当初,酸素はほとんどなかったと
考えられています。
酸素が大量に作られ始めたのは約27億年前。
シアノバクテリアの光合成によって
酸素が作られたと考えられています。
この時代の酸素の増加の名残を
示すものが2つあります。
ストロマトライトと縞状鉄鉱層です。
ストロマトライトはシアノバクテリアによって
作られたものです。
きれいな縞状構造が特徴です。

このストロマトライトは,シアノバクテリアが
砂粒などの粒子を取り込んでできたものだと
考えられています。
ストロマトライトの表面には,
水平方向に成長するシアノバクテリア1と,
垂直方向に成長するシアノバクテリア2がいます。

海水によって運ばれてきた砂粒が
シアノバクテリア2と絡まって表面を覆います,

このままだと砂粒に埋もれて光合成ができないので,
シアノバクテリア1が光を求めて
砂粒の上に出てきます。

その上にまたシアノバクテリア2が成長して
砂粒と絡まって…,を繰り返して,
縞状構造ができていったと,考えられています。
シアノバクテリアによって酸素が作られたものの,
すぐには酸素濃度は増加しなかったと
考えられています。
海水中に溶け込んでいる鉄などと結合して
酸素が使われていったと考えられているからです。
この時にできたのが,縞状鉄鉱層だと
考えられています。
縞状鉄鉱層も,ストロマトライトと同じように
縞状構造が特徴です。

酸素が作られ始める前,海水中には
鉄が多く溶け込んでいました。

光合成によって作られた酸素は,鉄と結合して
酸化鉄となって海底に沈殿します。

作られる酸素の量が少なくなると,
珪酸を多く含んだ堆積物が
酸化物の上に堆積します。

再び酸素が多く作られるようになると,
酸化鉄が沈殿します。

このような仕組みで縞状鉄鉱層が作られていったと
考えられています。
縞状鉄鉱層が大量に作られていたのは
約27億年前から約19億年前。
約22億年前からは海水中だけではなく大気中にも酸素が
多く含まれるようになったと考えられています。