頑丈な背骨をもつウナギ
水中で生きる魚と
われわれヒトを含む陸上で生きる
脊椎動物との違いは一体なんでしょう?
ヒレの有無,足の有無,鰓呼吸か肺呼吸か
などいろいろあります。
その違いの1つに,背骨があります。
陸上四足動物は重力から体を支えるために
頑丈で複雑な脊椎をもっています。
対して魚類の脊椎は柔軟で単純です。
これまで現生種でも化石種でも,
陸上四足動物のような複雑な脊椎をもつ
魚類は発見されていませんでした。
このため脊椎は魚類と陸上四足動物とを
分ける大きな違いと考えられてきました。
しかし,どうもそうではないらしい
ということがわかりました。
ふぉっしるニュース
陸上四足動物と同じような脊椎をもつ魚類の化石が発見されました。
頑丈で複雑な脊椎をもつことが分かったのは
スコットランドの古生代石炭紀前期
(約3億5900万年前~約3億1800万年前)の地層から
発見された,ウナギのような形をした
タラシウスです。
これまで陸上四足動物の脊椎は
陸上での歩行のために進化したと
考えられてきました。
しかしタラシウスはどう見ても
陸上を歩いていた,または陸上を歩くように
進化していたようには見えません。
しかもタラシウスが生きていた時代は石炭紀。
脊椎動物が最初に上陸してから
何千万年も後の時代です。
このため,この頑丈な脊椎は
陸上の歩行とは関係なく進化してきたのだろうと
研究者は考えています。