鍔をもつ三葉虫 | 化石ショップ「ふぉっしる」店長の日常

鍔をもつ三葉虫

頭部の縁が,まるで鍔のように広がった
面白い形をした三葉虫がいます。

$化石ショップ「ふぉっしる」店長の日常-スコトハルペスT01

ハルペス類。
写真の三葉虫は,その中でも珍しいロシアのスコトハルペス
という種です。

この鍔には,小さな穴がたくさん開いています。

$化石ショップ「ふぉっしる」店長の日常-鍔の穴

とても不思議な頭部です。
なぜこのような奇妙な形の頭部をもっているのでしょう?
それは,その食性に関係があると考えられています。

ハルペス類は濾過食。
つまり水中の有機物を漉しとって食べていたと考えられています。
この有機物を漉しとるのに,
この奇妙な形の頭部が使われていたと考えられています。

$化石ショップ「ふぉっしる」店長の日常-食事をするハルペス

まず肢で前方に向かって水流を起こします。
そして頭部の裏で食物をこしとり,
余分な粒子と水は頭部の穴を通して
前方に押し出していたと考えられています。

何だかとても疲れそうな食べ方ですが(^_^;)。

実はこの頭部の縁はとても薄いです。
光が透けるくらい。

写真のスコトハルペスでも,一部透けています。

$化石ショップ「ふぉっしる」店長の日常-透ける鍔

生きていた時は鍔全体が透けて,
きれいだったんでしょうね(´∀`)。