カンブリア爆発の原因は毒の海!?
今日のニュース
カンブリア爆発は,“大不整合”が原因で引き起こされたらしいということがわかりました。
古生代カンブリア紀(約5億4200万年前~約4億8800万年前),
生物の種類が爆発的に増加する
カンブリア爆発という出来事が起こりました。
カンブリア爆発の特徴として,動物の種類が増加しただけではなく,
動物が骨格(硬組織)を獲得したこともあげられます。
それまで硬組織をもたない生物がほとんどだったのが,

突如として,
殻などの硬組織をもつようになったと考えられています。

しかしカンブリア爆発が起こった理由については,
よくわかっていませんでした。
今回,北米大陸中から採取された
2万点以上のカンブリア紀の岩石を調べることによって,
カンブリア爆発の原因がわかってきました。
この岩石には炭酸塩鉱物や海緑石などの鉱物が
大量に含まれていることがわかったそうです。
これは海水の化学組成が変化した証拠であると,
研究者は考えています。
「大不整合」と呼ばれる不整合があります。
これは,10数億年前の大陸地殻の上に,
カンブリア紀以降の堆積岩が堆積したものです。
カンブリア紀前期,海進と海退が繰り返し起こり,
海退の時期に表層の岩石が侵食されて大陸地殻が露出したと
考えられています。
そして風雨にさらされた大陸地殻は化学風化によって,
カルシウムイオン,鉄イオン,カリウムイオン,珪素イオンなどの
イオンを放出し,海進の時にそのイオンが海水に溶け込んで
海水の化学組成を変化させたと研究者は考えています。
また海水の化学組成が変化することで,
生物にとって棲みにくい環境になったと研究者は考えています。
体が正常に機能するためにはイオンが体内にバランスよく
含まれている必要があります。
もしあるイオンが体内に大量にある場合,そのイオンを取り除かなければ
いけません。そのイオンを取り除く方法の1つが生体鉱物を作ることです。
こうして海水の化学組成の変化に対応するために,
生物は硬組織をもつようになったと,研究者は考えています。
そしていったん硬組織をもってしまうと,
殻やトゲのように防御の役割をもったり,
骨のように体を支持する役割をもったり,
歯や爪のように捕食のための役割をもったり,
その硬組織自体が意味を持つようになったと,
研究者は考えています。
こうした変化がカンブリア爆発につながっていったと,
研究者は考えています。