サーベルタイガーの牙と前肢
今日のニュース第1弾
長い牙をもつ哺乳類は,前肢の力が非常に強かったらしいということがわかりました。
化石・古生物萌図鑑続続報でも紹介したスミロドン,
非常に長い牙が特徴です。

しかし長い牙をもっていたのは,スミロドンだけではありませんでした。
例えば,ホプロフォネウスなど。

スミロドンと同じネコ科に見えますが,
ニムラブス科という別の科に属します。
種類によって,牙の長さは長いものから短いものまで様々。
そして牙の形も様々。
一番の武器は,やっぱり長い牙ですが,
しかし前肢も,獲物を仕留めるのに重要な役割を果たしていたと考えられています。
「ひょっとしたら,牙の形と前肢の形には
機能に関連した密接な関係があるのではないか」,
「そしてこの関係は科が違っても普遍的に見られるのではないか」,
というのが,今回紹介する研究の主題。
これを検証するために,
長い牙をもつ絶滅種13種と,現生のネコ科6種の
前肢と牙の特徴が調べられました。
この結果,長く薄い牙をもつ種ほど,
前肢ががっしりしたつくりになっているらしいということがわかったそうです。
この傾向は,ニムラブス科とネコ科,両方で見られたそうです。
長く薄い牙ほど折れやすくなります。
前肢の力が強くなるほど,獲物を仕留める際に牙を使う機会が減るので,
牙が折れる危険性が少なくなると研究者は考えています。