田中秋羅と鈴木カオルの文通はもうすぐ1年になろうとしていた。半年もすると頻繁に手紙を出すようになり、秋羅はカオルのことをけっこう知ることができた
秋羅「ん~」
頻繁に手紙を出しもらっているが、カオルの声を聞いていないことに不満を持つようになっていた。電話番号を何度か聞こうとしたが、今まで秋羅の中で築き上げてきたカオル像を壊すのは怖かったし、その逆で秋羅の声を聞かせてこの関係が終わってしまうことも怖かった。直接会うことは、秋羅は関東だしカオルは関西なのでないだろうと思っていた。しかし、夏休み直前にカオルに接近することになる行事があることに6月に入ってすぐに気がついた。その行事は…
修学旅行
修学旅行5泊6日のうち3日がカオルの住む京都。しかも丸1日が自由行動の日がある。それに気づき、なんだかドキドキする秋羅だった
ねぇねぇ、会っちゃったらどうする?なんて声かけたらいい?考えたら、ドキドキして眠れないよ~
つづく