ラミの居るところの検討はついている、黒田翔陽は城壁を飛び越え一気に城に
翔陽「ラミ」
翔陽の思った通りラミは執務室にいた。ラミは翔陽を見て立ち上がり
ラミ「翔陽何してるの?」
翔陽「いや、あの…ほら…」
翔陽はなんて説明していいか悩んでいると
ラミ「また城壁飛び越えて来たでしょ」
翔陽「うん、まあ…」
ラミ「まったく、また大騒ぎになってるわよ」
とドアを見る。するとドアがノックされ兵士が数人入って来る
「先程不審な影が…」
兵士達の目が一斉に翔陽に向けられる
「翔陽殿でしたか。次からは門よりお願いしますよ」
翔陽「すみませんでした」
翔陽が頭を下げると同時だった
ゴォォー
地響きのような音がした
翔陽「離れろ」
翔陽は兵士達に叫ぶ。翔陽はラミの方へ向かおうとするも床が割れ、踏み出すタイミングが遅れた
ラミ「えっ?」
ラミは床が割れ階下に落ちていく
翔陽「ラミーーー」
手を伸ばすもあと一歩、届かなかった
「ヒャヒャヒャヒャ」
不快な笑いがラミが落ちた階下からしてくる
「これは思いがけない収穫じゃ」
翔陽はこの声の主に心当たりがあった。2年半前に翔陽が退けた、人族の勇者サラリスだった。サラリスは土の魔術と毒魔術の使い手で、人族の町で魔族の軍と人間を同時に大量虐殺を企てていたのを翔陽とラミが察知し、サラリスを寸でのところで退けた
サラリス「ん?この女あの時の…」
翔陽の目の前に現れたサラリスはゴーレムと融合し、人とは思えぬ容姿になっていた
サラリス「こいつはいい」
サラリスは翔陽を見てニタァと薄気味の悪い笑みを浮かべ、宙へと飛び上がった
サラリス「今日は面白いモノが手に入った」
サラリスは長く伸びた舌でラミを舐め
サラリス「今日のところは引き揚げてやろう。追って来るのは勝手だが、儂はそんなに気は長くないぞ。ヒャヒャヒャヒャ」
不快な笑いを残し、消え去った
翔陽「クソーッ」
何も出来なかった翔陽は床をおもいっきり殴った
つづく