ラミのドラコンが見えてきた。ドラコンは真っ黒になり、まったく動かない。ドラコンはすでに絶命していると黒田翔陽は思った。そうなるとラミのことが気になる。翔陽は走るスピードをさらにあげた
「魔族の将軍がこうもあっけなくおちるとは」
ラミは数人の騎士に槍を突きつけられていた
「いかがなさいますか?」
「そんなモノに興味はない」
赤く輝く鎧を身につけた男がミラに背を向け言う
「好きにしろ」
「我ら炎騎(えんき)が将軍を…」
槍が一斉にミラに振り下ろされる。ラミは観念し、目を閉じその時を待った
翔陽「ラミーーー」
真紅の鎧の騎士が声をする方を見る。次の瞬間突風が騎士達を襲う。真紅の鎧の騎士は腕をクロスし、踏ん張る。何かが脇をすり抜ける
翔陽「ラミ無事か?」
ラミ「何で来た?」
翔陽「ラミのことが心配で…」
真紅の鎧の騎士が振り返ると翔陽はラミを抱き上げていた
「どこに行く?」
翔陽は真紅の鎧の騎士をチラッと見るが、背を見せ歩き始める。真紅の鎧の騎士が剣を抜く
柊海斗(ひいらぎかいと)「俺は爆炎の勇者海斗だ」
海斗が一歩踏み出した
海斗「なんだ?」
海斗は前のめりに倒れる。足の腿あたりに激痛が走る。海斗は腕で上半身を起こし足を見る
海斗「足が…足がぁー」
海斗の両足は地面に立っていた。海斗は腿から両足を切断されていた
海斗「忘れんぞー」
翔陽は振り返ることなく去って行った
女神「ん~、いいねいいね。黒田翔陽、早くあの者達を殲滅しておくれ」
女神は地面でもがく海斗を見てにんまりと笑った
つづく