久留生辰爾の後に続いて桜ノ宮海斗は踏みきりを渡り、林の中を歩く。踏みきりが見えなくなった頃、目の前に廃屋が現れる。海斗の足が止まる
辰爾「なにしてんだよ、入るぞ」
海斗は嫌な予感がどんどん増していく。はっきり言って海斗は廃屋に入ることを拒否したいが、辰爾が先に入ってしまったので、入らない訳にはいかなかった。廃屋の入り口に立ってあることを不思議に思った。何故辰爾は何の警戒もなく中に入って行ったのか?。辰爾もそれなりに名の通った霊能力者。中からものすごい気配がするのに、あまりにも無防備無警戒すぎる。少しの霊感があれば、絶対に入らない
辰爾「なにしてんだ?早く来いよ」
辰爾が中で急かす。が、海斗の足は全力で拒否して足は進まない
辰爾「なんだ?うわっ」
辰爾が中で叫ぶ。何かがあったにちがいない。海斗は気力を振り絞って中に入ろうとする
「止めろ」
突然右腕を掴まれ引っ張られる
海斗「えっ?」
辰爾「どこに行くんだよ」
足元で声がする。海斗が下を見ると血まみれの辰爾が海斗の足を掴もうとしている
海斗「うわぁー」
海斗は後ずさる
「走れ 」
その声で海斗はがむしゃらに走る。無数の黒い腕が海斗を追いかけて来た
つづく