市、県、中学校と高校、それといじめを主導していたとして相楽朝水の同級生菊地七海と相原未華子、相楽雫の同級生菊地美海(きくちみみ)を告訴した
第1回公判で市はいじめを認めたものの、県と中学校と高校は全面否認した。それどころか高校は名誉毀損で、相楽忠を告訴した
堤琥太郎「まあ予想通りですね」
項垂れる忠に言う
琥太郎「市が認めたのは大きいですね」
忠が琥太郎を見る
琥太郎「これで中学校の方も認めると思いますよ。ただ…」
一つだけ懸念されることがあった
琥太郎「菊地姉妹ですね」
忠が肩を落とす
忠「あの2人を告訴しないという選択はなかったんですか?」
琥太郎「あの2人を放置すれば必ず全て負けてしまいます」
忠「でも市は…」
琥太郎「ちょっとした情報を流したんです。それが効いたんですよ」
明るい表情の琥太郎に比べ忠は暗く落ち込んでいた
琥太郎「まずは中学校から落としましょう」
そこに渡恵介から電話が入る
琥太郎「どうですか?はい、はい、わかりました。…ほんとですか?それじゃお願いします」
琥太郎が笑顔になる。そんな琥太郎を忠はじっと見る
琥太郎「それじゃこれからなんですが」
琥太郎は話を進めるが、忠はさっきの電話が気になって仕方なかった
琥太郎「向こうは朝水さんと雫さんを参考人として出廷させようとします。まだ2人とも入院中ですよね」
忠「ええ」
琥太郎「向こうは出廷出来ないことで裁判を混乱させようとします。あの人なら間違いなくね」
忠「あの人?」
琥太郎「今回表に出て来ないものの、裏には必ずいます。菊地辰巳(きくちたつみ)衆議院議員顧問弁護士戸口新太(とぐちあらた)。あの人はこの裁判をマスコミに取り上げます」
忠「ちょっと待ってください、そこまでは…」
琥太郎はニヤリと笑みを見せ
琥太郎「そこを逆手にとります。その準備もしてあります」
忠「ほんとに大丈夫なんですか?」
琥太郎「任せてください」
琥太郎は自信満々に胸を叩いた
つづく