誠「志村さんから電話があって、重要人物を追い詰めたって」
偕子「重要人物?」
誠「誘拐事件に深く関わってる」
ドクン。偕子の胸が大きく弾ける
誠「サマーランドに居た…」
偕子「サマーランドに居た?」
「サマーランドに居た誘拐に関わっている人間は死亡していたはず…」偕子は何が起きているのかわからなくなった
誠「生きていたらしいです」
あの時、狙撃されて死んだと思いこんで確認していかなかったことをくやんだ
偕子「わかった。で、どこに行けばいいの?」
偕子は誠から場所を聞いて電話を切った
かすみ「どーした?」
偕子が電話をしていたのを見ていたかすみが、近づいて来た
偕子「まだ未確認ですけど、誘拐犯の1人の行方がわかった…」
偕子は和哉を思い出して、言葉を止める
かすみ「応援が必要か?」
偕子「いえ、確認が取れてからで」
応援が来たら、和哉は逮捕されてしまう
かすみ「何かあったらすぐに連絡を寄越すんだぞ」
偕子「わかりました」
偕子は急いで荷物をまとめた
チッ
背後で舌打ちが聞こえた気がした。振り返ると、かすみが缶コーヒーに口をつけていた。偕子は空耳だと思い、気にすることなく出て行った
友則は廃ビルに入って、応援を待っていた。外を見ると和哉が中を伺っているのが見える。やがて偕子が、少し遅れて誠と美世子が現れたのを見る。友則は、なかなか現れない応援にイライラし始める
友則「なにやってんだ」
電話をかけるが、つながらない。何ヵ所かかけるがすべて「おかけになった電話は使用されておりません」というアナウンスが流れていた
友則「クソーッ」
友則は携帯を投げ捨てた。友則は自分が捨てられたことに気づいた
和哉と偕子が中に入って来る。友則は拳銃の弾数(たまかず)を数える
友則「ちくしょう」
拳銃の中は3発しか入っていなかった。「殺るしかない殺るしか」心の中で唱える
パキッ
その音がした方に
パンッパンッパンッ
立て続けに拳銃を撃った。目の前をネズミが通り過ぎて行った。友則は拳銃を投げ捨てた
つづく