季菜子「しかしバカね。こんな逃げ場のないところに来て」
三奈が和哉をチラッと見る。が、暗くなって表情まではわからなかった
季菜子「どちらにしろ逃げられないんだから大人しく捕まりなさい」
車から降りた男達が懐に手を入れた
季菜子「バカ、こんなところでそんなモノだすな」
三奈もうっすらだが、男達が拳銃を構えているのがわかった。季菜子は近くにいた男の腕をおさえる。季菜子の視線が三奈から離れた
三奈は低い体勢で季菜子の背後にまわる。1人の男が三奈に拳銃を突きつける。三奈は半身でその腕を掴み捻りあげる。そのまま男を投げ、みぞおちに膝を落とす。季菜子の蹴りがくるが、それを後転してかわす。その先に居る男が特殊警棒を振り下ろす。それも転がってかわす
季菜子「逃げるのだけは得意ね」
三奈「まあね」
三奈はVサインをして立ち上がる
三奈「季菜子さ、私だけ気にしてて大丈夫?」
季菜子の隣にいた男が倒れる
和哉「女の子を殴るのはなぁ」
季菜子「あら、ありがと」
季菜子が後ろまわし蹴りを和哉に放つ。和哉は咄嗟に特殊警棒で防御するが、吹き飛ばされてしまった
三奈「季菜子を普通の女の子なんて思わない方がいいよ」
季菜子「あんたもでしょ三奈」
三奈「季菜子、テコンドーのジュニアチャンピオンだったからね。しかも小さい頃から空手やってるし」
和哉「マジかよ」
和哉はよろめきながら立ち上がる
三奈「季菜子は私が…」
三奈の後頭部に2つ硬いものが突き付けられる
季菜子「チェックメイト」
いつの間にか囲まれていた
和哉「確かにな」
季菜子「無駄な抵抗はしないでね。痛い思いはしたくないでしょ?」
季菜子は手を広げ、ニヤリとする
和哉「そうそう、無駄な抵抗はするなよ」
囲んでた男達が崩れるように倒れる
季菜子「なんで?」
和哉「そっちが襲ってくるのはわかってたからな」
偕子と千景が闇の中から現れる
季菜子「チッ」
季菜子は舌打ちすると走り出す。4人は季菜子を追う。季菜子は立ち止まり振り返る
季菜子「私はあんたらには捕まらない。そして、あんたらはこれから打ちのめされる。それをあの世から楽しみにしてるよ」
ドンッ
大きい音がすると季菜子の身体が宙に舞った
つづく