清華「おーい、報告書が出てないぞー」
清華が三奈の方に紙を丸めメガホンを作って言う。三奈は頭をかきむしり
三奈「もう、書くことなんてありません」
清華「それじゃこの領収書は無効だな」
領収書の束をひらひらさせる
三奈「ちょ、ちょっとー」
三奈はあわてて清華の机に行く
三奈「それが帰って来ないと…」
清華は領収書をめくり
清華「へぇ~、叙々苑18500円ねぇ」
三奈「それはですね」
清華「この洋服代ってなんだ?2万って?」
三奈「ほら、急な出張で着るものがなくて」
清華「それじゃこのホテル代は?」
三奈「泊まるところがですね…」
清華「一泊で2万なんて、何考えてんの。千景だったら全部合わせても1万ぐらいだぞ。お前は何しに東京に行ったのかな?」
笑顔だが、顔が時々ひきつっている。それを見て三奈は頭を下げ
三奈「申し訳ありませんでした」
清華「よし、それじゃこれ全部地腹ね」
三奈「それはご勘弁を~」
清華「却下」
三奈は力なくその場に崩れ落ちた
季菜子「三奈やったじゃん」
季菜子が三奈に近づく。三奈は力なく首を上げる
季菜子「接触したんでしょ?」
三奈は考えるが何の覚えもない
季菜子「今電話があってさ、強力して欲しいって」
三奈「誰が?」
季菜子「ラーメン屋で会ったって言ってた」
三奈「あっ」
三奈がスッと立ち上がる
三奈「そうだ」
清華「なんだ?」
三奈が笑顔で
三奈「私だってただ東京観光してたわけじゃないんですよ」
清華「ほ~、東京観光ね」
三奈は苦笑いを浮かべる
三奈「いや、それはついでで…息抜きって言うか」
清華「まあそれは後でゆっくり聞くとして。誰と会ったんだ?」
三奈「えっと、北海道の刑事さん?」
清華「なんで北海道の刑事が、それに何故疑問形なんだ?」
三奈「なんか、冤罪で警察に追われてるって」
季菜子「大丈夫なの?警察に追われるって指名手配されてるってことでしょ?」
三奈「でも、冤罪だよ」
清華「まあいい。それがなんで?」
三奈「確か、連続誘拐事件の現場を目撃した少年と一緒にいるって言ってた」
清華が立ち上がり
清華「今すぐ会ってこい」
三奈「えっとお金は?」
清華「季菜子出してやれ」
三奈「前回のは?」
清華「うまくいけば、全部出してやる」
三奈「マジですか?」
清華「ああ。だから早く行って来い」
三奈は季菜子からお金を受けとると足早に事務所をあとにした
つづく