そりゃ~
この週末、夜になるとコウタとメルに襲われ寝るどころではなかった。もちろん昨夜も寝ていない
あんなとこで寝られないつうの
咲良は晴を見るが、すでに喋る元気もなかった
野口朋(のちぐちとも)「大丈夫?1限体育だよ」
晴「休んだ方がいいな」
咲良は首を振る
晴「出るのか?」
朋「今月2度サボったからね」
晴「しかもバレたしな」
咲良は力が抜け、机にうつ伏せになる
こんなことならサボるんじゃなかった
と後悔した
先生「今日は持久走やるよ」
それを聞いただけで咲良は目がまわってきた
先生「位置について」
スタートラインに立つ
先生「ようい」
バタンッ
朋「先生、咲良が倒れました」
先生「仲屋、またサボる気か?」
先生が咲良の肩を触る。先生の顔色が変わる
先生「春日、仲屋を保健室へ」
晴はバスケ部にいて、一番体が大きいのでこういう時はだいたい晴になる。晴は咲良を軽々と抱きかかえると保健室に向かう
朋「先生、心配なんでついて行きます」
先生「任せる」
朋は2人の後を追った
朋は昇降口で追いつく。保健室は外からも入れるのだが、わざわざ履き替えて保健室に行く。2人は体育に戻るつもりはない
保健室に入るが保険医はいなかった。晴は咲良をベッドに寝かせ、ベッド脇にイスを持ってきて座った。朋もまたニコニコしながらイスを持ってきて座る
朋「ラッキーだったね」
晴「別に走ってもよかったんだけど」
朋「そりゃ晴っちは運動できるからいいよ。私は苦手だもん。走るなんて拷問だよ」
晴「そうか?」
朋「サクが起きてたら同じこと言うよ」
晴「そうかな?」
朋「そうだよ。しかし」
2人は咲良を見る
朋「気持ちよさそうに寝てるね」
晴「そうだね」
朋「多分寝不足だね」
晴が頷く
咲良はそれからずっと寝続け、起きたのは夕方だった
朋が帰る前に保健室に寄る
朋「先生、起きました?」
保険医「いいところに来た。さっき起きたんだけど、まだぼーっとしてるから一緒に帰ってあげて」
朋「いいですよ。もう1人連れて来ますからちょっと待って下さい」
と言うと荷物を置いて、保健室を出て行った
晴「なんでボクが」
朋「親友でしょ?」
晴は咲良をおんぶして咲良のうちを目指す
咲良「ごめん」
晴「咲良はいいんだ」
晴は朋をジロッと見る
朋「いやぁー、そんな目で見ないでー」
その時
咲良「逃げてー」
咲良が叫ぶ。晴は反射的に足を上げる
コウタ「そ、しょんな~」
晴の足がコウタの顔面をとらえた。コウタはその場に崩れる
朋「なにコレ?」
朋がコウタを覗きこむ
咲良「ダメー」
コウタはムクッと起き上がり、朋に襲いかかる
朋「きゃーっ」
コウタが朋に抱きつこうとした時
コウタ「ガッ」
コウタの脳天に晴の踵が落ち、さすがのコウタも気絶した
朋「ねぇ、これ本物?」
朋がコウタの耳をつまんだ
つづく