只今、17連敗中
今日こそは…
朝の占いは1位。今日は今まで体験したことがない事が起こりそう
ってことは
咲良「初恋人ですか~」
鏡を見て思わずにやけてしまう
ガタン
振り返ると飼っているウサギがゲージを蹴っている。咲良は近寄り
咲良「コウタ君もそー思う?今日、恋人が出来ちゃうって。よし、そんなコウタ君にはオヤツをあげよう」
咲良がゲージの中にオヤツを入れると、コウタは一心不乱にオヤツを食べ始める
咲良「それじゃコウタ、メル(モルモット)行って来るねー」
コンビニの前で深呼吸をする。コンビニの中を確認
咲良「よし、いる」
深夜のアルバイトをしている彼がいるのを確認すると、コンビニから少し離れる。咲良は彼が金土日の深夜と水曜の夕方シフトに入っているのを確認済。名前は国仲慎(くになかしん)さん、大学1年。彼女絶賛募集中。慎さんのうちは…ってそこまで調べたらストーカーじゃん。ただ、一人暮らしっていうのは知っている
咲良「さて」
咲良は時計を確認する
慎さんの勤務は6時まで。そしてコンビニから出てくるのが、6時08分
咲良「7分。あと1分」
咲良「来た」
慎さんが出て来る
あれ?
慎さんの後ろから女が出て来る
咲良「彼女なわけないよね、だって絶賛募集中だもん」
慎さんと女は楽しそうに話をしている
咲良「わかった、友達だ。慎さん優しいし、かっこいいし」
後をつけること10分
慎さんと女が手をつなぐ
ガーン
咲良は軽いめまいを感じた
咲良「そーだよ。彼女がめまいがしたから手をつないでやってるんだよ。優しいからな~」
という思いとは裏腹に女は慎さんと楽しそうに話している
コンビニを出てから15分
とあるマンションの前で慎さんと女が立ち止まる
咲良「ここが慎さんの…」
咲良が少し離れたところでマンションを見上げる
そして2人に視線を戻すと
咲良「き、キスして…」
2人は仲良さそうにマンションに入って行った
咲良「ははは、良く見ればたいした男じゃないじゃない。このあたしと釣り合いが取れるほどじゃないし、良かった良かった、告って付き合わなくて」
咲良は走ってうちに帰り、頭から布団を被り寝てしまった
咲良「良く寝ちゃったな~」
外はもう真っ暗だった
咲良「さて、新しい恋を探さなきゃ」
「俺様じゃダメかな?」
声に振り返る
な、なんて…
そこには、モデルのようなスタイルにこの世のものとは思えないキラキラに輝く男性が。ちょっと暗いので完全に顔は確認できないものの
いい男だ。間違いない
咲良のいい男レーダーが反応する
「俺様と付き合うのか?」
咲良「はい、付き合わせていただきます」
男性は近づいて咲良の頭を撫でる
「よし、いい子だ」
ああ、幸せ過ぎて心臓止まりそー
咲良は男性の頭を見る
やっぱりいい男。でも…
咲良は男性の頭が気になった
咲良「なんですか?これ?」
咲良はその気になったものを触る
「止めてくれないか?」
咲良「これ…」
咲良はそれを掴み引っ張る
「いてぇーー」
男性は咲良の手を振りほどく
「なにすんだ」
咲良「生えてる」
なんと男性の頭にウサミミが生えていた
つづく