忠に電話をかける。呼び出し音が鳴る。忠は出ない、そんなことわかっている。でも・・・
忠「あー、もしもし」
わたし「た、忠?」
忠「よう、そうだ」
忠は死んだはずじゃ・・・。わかったかけ間違い…
忠「ちょっと待て、今電話切ろうとしたろ?」
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忠「間違い電話とか、気持ち悪いとか思ってるでしょ?」
なに、この人。忠をかたってなにがしたいの?
忠「俺は間違いなく忠だ。久能忠」
なんで忠の名字を知ってるの?
忠「俺は間違いなく死んだ。けど」
なに?この人
忠「ちょっと、聞いてるか?」
わたしは電話を切ろうとしたが、切れない。いや、もう電話は切れていた。なのに声が聞こえる
忠「俺は死んだんだけど、ほんとは死ぬ予定ではなかったんだ」
女性「ほんと、困った困った」
後ろで声がして、振り返った。そこには、銀髪のきれいな女性がいた
女性「しかしなんで、降りなかったかな?目的地を通り過ぎるって、気づけよ」
忠「しょうがないだろ、初めてなんだから」
女性「ちゃんと下調べするとかしとけっつうの」
その女性はスマホから聞こえる声と会話している。スマホはわたしの耳についていて、女性には聞こえるはずないのに
わたし「あの~」
女性「私?」
わたしは頷く
女性「私はね、あなたたちが俗に言う死神ってやつ」
わたし「死神?」
女性「そう。私は死神のエレナ」
わたし「エレナさん」
エレナはニコッと笑みを浮かべる
忠「俺は間違って殺されたんだ」
エレナ「人聞き悪いなぁ、うっかりだったの、うっかり」
忠「うっかりで殺されちゃ困る」
エレナ「だから、今いろいろ手をね…」
わたし「ほんとに忠なの?」
忠「ああ」
エレナ「間違いないわ」
わたしの頬を涙が流れ落ちた
忠は形はどうあれ、わたしのもとに帰って来てくれた。わたしはそれが嬉しかった
わたしの中に4終わり