派手だけど斬新でない
著:シーラン・ジェイ・ジャオ
ジャンル:SF 巨大ロボットアクション
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ほぼ1年ほど前に買ったが、やっと読み切った。
これ、文庫で550頁ぐらいあって分厚めだけど活字も
大き目だし行間広いし、中身はスカスカなので、気合
いれたら1日~2日で読み切れる。
私は忙しくて読み始めて正味1週間ぐらいはかかってしまった。
変形可能な巨大ロボット…この世界では「霊蛹機」と言う…
を男女ペアで「氣」で操縦し、正体不明な渾沌(ふぁんどん)
と戦うという設定。
中国女流SF作家なので、世界観は中国風のもので、
霊蛹機も朱雀だの白虎だの玄武だのラストは黄龍まで登場する。
さて…わかる人にはもう、あれれ?って感じだろう。
変形する四神…男女ペア…氣で操縦…
ほー、スーパーロボット大戦の龍虎王、クスハとブリットくん。
陰陽技も登場するし、渾沌を破壊してはその霊氣を吸収して
自分の補修をしたり追加増設したり…
S2機関を取り込んだエヴァのよう?
ただし…世界観自体がちょっと違う。
ヒロイン:武 天則(ウー・ティエンソク)は貧乏農家の村娘。
金持ちぼんぼんの高 易之(ガオ・イージー)に見初められた
ものの一線は越えず。
なぜか? 貧乏家族は娘を妾女(しょうじょ)パイロットと
して軍部に処女のまま売り込み金を貰おうと少女の頃から
天則は足を潰されて纏足(てんそく)にされ、逃げられない
ように育てられた。
妾女パイロットの役目はひとつ…。
霊蛹機で戦う男子パイロットの出撃前のなぐさみものになり、
戦場では霊蛹機の中で氣を男子パイロットに吸い尽くされて
死ぬ運命の使い捨て。 生きたバッテリー。
姉も同じ運命で戦死した。
天則は、姉の仇の男子パイロットを決死の覚悟で抹殺を
計るものの突然の出撃に色仕掛けの寝床では実行できず。
霊蛹機内で持ち前の霊圧全開で男子を圧倒。
男子パイロットを氣死させることになる。
クスハ&ブリットとはかなり違う(笑)
ここまでは序盤も序盤の話なのだけれど。
霊蛹機には男女ペアで搭乗する…と言う基本原則。
女子は生命を賭して使い捨て。
役に立たない男子パイロットもわざと無茶な戦場に
派遣されて潰される… そんな世界観。
軍部や同じ霊蛹機パイロット同士との確執。
陰謀と最高機密の謎。
様々な暗部が渦巻く巨大ロボットアクション。
この辺もエヴァ風っちゃエヴァ風。
SF小説と言うよりも、アニメ原作かラノベか…
と言う感じ。
正直、どこかで見たような話の連続。
このまんま、アニメ化できそう。
ラストにはちょっとしたオチと続編への展開を暗示する
流れがあるが…、それも他のSFでみたような流れ。
一番の新機軸と言えば…
操縦パイロットが二人ではなく…女1男2に後半はなる。
しかも… 女1は男2とそれぞれできて。
男2もBLでできてしまい、ビッチとバイセクシャルの
トリオになって、シン三角関係とでも言うか…
これはちょっと斬新かもね。
早い話、スパロボ+エヴァ+LGBTな内容になる。
う~む 私はこーゆーのは守備範囲外だ(笑)。
まー、お好きな人はどうぞ。