まさか、鬼太郎に泣かされるとは

監督:古賀 豪

声:関俊彦(鬼太郎の父 仮称:ゲゲ郎)

 木内秀信(水木)

 種崎敦美(龍賀沙代) でたぞ、アーニャにフリーレン

 小林由美子(長田時弥)

 白鳥哲(龍賀時貞)

 飛田展男(龍賀時麿)

 中井和哉(龍賀孝三)

 沢海陽子(龍賀乙米)

 山路和弘(龍賀克典)

 皆口裕子(龍賀丙江)

 釘宮理恵(長田(龍賀)

 石田彰(長田幻治)

 古川登志夫(謎の少年)

 沢城みゆき(鬼太郎)

 庄司宇芽香(ねこ娘)

 松風雅也(山田)

 野沢雅子(目玉おやじ)

2023年 日本 104分 PG12

 ■□■

 私は子供の頃、貸本屋さんで「墓場鬼太郎」の表紙

だけを観てびびっていた。 その後、小学校高学年ぐらいに

なって「墓場鬼太郎」をコミックで観たがやっぱり怖かった。

鬼太郎がアニメになると聞いて、自分の耳を疑った。

あんな怖い話をアニメに出来るのか?…と。

 

 この映画は、墓場鬼太郎に繋がる前日譚で。

「墓場鬼太郎」を知っている世代には涙無くしては観れない

と思う。 泣けた。 エンドロールでもう一回泣けた。

はっきり言って、「ゴジラー1.0」よりよほど泣けた。

 

↑こんなシーンはないのだけれど。

 真ん中が鬼太郎の父ゲゲ郎(仮称)右が水木。

 

 本作には鬼太郎本人は最初と最後だけしか登場しない。

全ては、鬼太郎の父(目玉おやじになる前の)と鬼太郎の母、

それに殆ど主役で水木と言う帝国血液銀行の社員が登場する。

ネズミ男もちょい役で登場し、鬼太郎の父を観て「げげっ!」と

驚き、水木が尋ねても名を名乗らない父に「じゃぁ、ゲゲって

驚いたヤツがいたから、お前をゲゲ郎と呼ぶ事にする」と・・・

仮称:ゲゲ郎と言う事で。(原作でも父も母も名無し)

 

 着流しのゲゲ郎…強い。

霊類(原作では幽霊属ではなく霊類)のくせに人情味はあるわ、

正直もんだわ、仁義に厚い。

 水木は基本的に謎を探りに来ただけの社員なのだけれど、

ゲゲ郎と付き合ううちに戦争体験の痛みを振り切っていく

ことになる。 昭和31年の設定なので、戦後の復興がやっと

ひとくぎりついた頃の話。

ちなみに、私は昭和32年生まれなので、その頃の日本。

 

 ↑ 事実上ヒロインの(アーニャ&フリーレン)紗代。

 

 ↓物語はこの謎の血液製剤をめぐるミステリー仕立て。

 

 では、毎度のこと、簡単にご紹介。

 昭和31年の寒村。

「犬神家の一族」みたいな跡目争いで次々と財産継承者が

殺されていく。 龍賀製薬の跡目就任を確認すべく、水木が

寒村に出張し、謎の男、ゲゲ郎と出会う事に。

 

 

 社長ににすら製法を知らされない謎の血液製剤「M」。

その秘密をさぐるべくやってきた水木だったが…。

この村にはとんでもない秘密があった。

 ゲゲ郎は他の理由で、この村にたどりついたのだけれど…。

ここはネタバレに触れるので内緒。

 とにもかくにも、連続殺人事件ミステリーのようなお話。

もちろん、鬼太郎なので妖怪は登場するけれど。

水木の視線で語られる鬼太郎誕生秘話。

 

 アニメにもなった「墓場鬼太郎」に繋がるシーンが

エンドロールで流れる事になる。

そのエピソードを知っている人は、そこで絶対に泣く(涙)。

子供向け妖怪退治の「ゲゲゲの鬼太郎」しか知らない人は

泣かないかもしれない。

 

 いやぁ~ まいった。

 6回観たら無料のシネマイレージがあと2回残っている

 ので、鬼太郎だけど観るか…と思ってみたが。

 こんなに泣かされるとは…。

 

 再度言う。

 「ゴジラー1.0」より泣ける。