キャプテン・フューチャーのビギンズもの。
著:アレン・スティール
ジャンル:SF スペースオペラ
■□■
先日、「銀河核へ」の書評の中で…
自分にとってはスペオペと言えば「レンズマン」か「スカイラーク」か
「キャプテン・フューチャー」みたいなのを言う…と、書いたが。
我ながら、そういえば「キャプテン・フューチャー」とか「スター・ウルフ」とか
エドモンド・ハミルトンも良く読んだなぁ、と、思っていた。
特に「キャプテン・フューチャー」と言えば、野田宇宙大元帥(笑)の名訳で
面白かったし、NHKではアニメ化されたものが放映されていた。
(<コメット>やキャラのイメージが合わないので観なかったが)
つい、この前の土曜日に「三体II」を買いに、毎度盛岡の大型書店まで
行って来たら、なな、な~んと、「キャプテン・フューチャー」の新刊!?が
あるぢゃないか。
著者のエドモンド・ハミルトンがお亡くなりになって久しいが、新刊!?
…と、思ってみたらアレン・スティールと言う聞いた事もない作家が
リブート作品を書いていた。
ほー、「サムライレンズマン」みたいな本来の著者ではない人がスピンアウト
作品を書く例はないではないが、リブートとは… おどろいた。
しかも、「キャプテン・フューチャーシリーズ」はハヤカワから出ていたのに
これは東京創元社からぢゃないの。
独占翻訳権を取得したらしい。
なんとまぁ、驚くことばかりだったので早速買ってみた。
ん~ん~、なぁるほど。
やっぱり野田宇宙大元帥で育った私は多少違和感があるものの、お話は悪くない。
ただ、全体的にかなり今風な設定になっている。
フューチャーメンと言えば、赤毛で熱血、ジャンプスーツに身を包みベルトには
プロトン・ガンをぶちこみ、小脇には<生きている脳>サイモン・ライトを抱えた
カーティス・ニュートン…、鋼鉄製のグラッグに、無毛のアンドロイド、オットー。
彼らのペットの、イイクにオーグと言った面々と。
宇宙一速い小型宇宙船<コメント>とそのプロトン砲。
彼らが独自で作り出した秘密兵器の数々がお楽しみの荒唐無稽な冒険譚
だったが。
月面のチコ・クレーターに住み、サイモン、グラッグ、オットーに育てられた
設定こそ同じで、他はかなり違う。
今回はビギンズものなので、カーティスの両親の仇、ヴィクター・コルボと
火星の魔術師ウル・クォルンが敵役でエズラ・ガーニーだのジョオン・ランドール
だの往年のファンには懐かしい面々が総登場する。
<コメット>は個人所有の火星までも飛べない非武装高速ヨットだし、
グラッグは勝手にシンギュラリティした建設用ロボットだし、オットーは
変装能力があるんだかないんだか…。
生れてこのかた、女性は5人しか会った事のないうぶなキャプテン。
ドローンのような筐体に入っているサイモン。
なんだか、オリジナルとかなり雰囲気が違う。
取り敢えず、面白いので今後の展開に期待しようと思う。
そう、こういうのをスペース・オペラという。