面白い!これで完結?まさかね。

著:乾 緑郎

ジャンル:SF スチームパンク

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 機巧のイヴ、最新刊でシリーズ三巻目。

前作で新世界大陸で暴れまわったイヴたちが日下国へと帰郷しての

完全続編となるが…。

年齢をとらないイヴはともかく、他の面々はそれなりにお歳を召している。

 大森望が帯に「これが日本の<三体>だ!」などとキャッチを入れているが

なにをバカバカしい、「三体」よりもはるかにこっちの方が面白い。

三体と比較するなど著者の乾緑郎に失礼だと思う。

大森望の三体かぶれもいいいかげんにして欲しい。

 

 さて、「機巧のイヴ 帝都浪漫篇」、一作目に比べたら倍のヴォリュームに

なっている。 こんなロングシリーズの冒険譚になるとは思わなかった。

二作目に登場した面々、その縁者や家族、子供などが次々登場する。

イヴはそのまま、相変わらず少々とんちんかんな応対をしているが、

新世界大陸で知り合った、轟八十吉の養女におさまって女学校の生徒に

なっている。

勿論、これまでのファンにはイヴと知り合った時の轟八十吉はまだ青年だった

事は言わなくてもいいはず。

 

 発明家の女性社長マルグリット・フェルは日本にフェル電器社を設立。

娘のナオミもイヴのかよう女学校へ…二人は親友になっている。

新世界大陸篇での快男児、日向丈一郎の妻や子供も登場。

こう登場人物を書いていくだけで、ファンはきっとわくわくするだろう。

かなり、ショッキングな展開もあるが、これは面白い。

 

 あぁ、そうそう。

イヴの思い人「鯨さん」も相変わらずの状態で登場するし。

なんと、秘密裏に「鯨さんを元の身体に戻そうプロジェクト」もあるようだ。

大森望はこれで完結のような解説を書いているが、そんな事はない。

まだ、解決されていない伏線がいっぱい残ったままだから。

400頁を超える前編、後編になっている。

前編の終わりで手に汗握る事になる。

いったい、どうなるんだ!?と思いつつ、後編のページをめくる

手がどんどん早くなる。

これが、活劇! これが冒険譚だ!と思う。

 

ぱい印おすすめ。

めっちゃ面白い。

是非、一作目からの購読を!!