原作とはかなり違うらしいが…。

監督:グオ・ファン

出演:ウー・ジン

 チュ・チューシャオ

 チャオ・ジンマイ

 他

原作:劉 慈欣「流浪地球」

原題:流浪地球 The Wandering Earth

ジャンル:SFディザスター

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 lこれまた、たぬきさんのコメントで教えて貰った「三体」の著者である

劉慈欣原作のSFを実写映画にしたもの。

実はこれ、Netflixで以前5分ほど観たまま、もう他のを観ていた映画だった。

昨夜相方と一緒に観ていたが、相方は開始後10分ほどでソファで大いびきで

眠ってしまった。

(私は以前5分で斬ったので、私の倍ぐらい耐えたんだ、なかなかやる。)

でもまぁ、「三体」の著者原作なら観てみるかと、最後まで観た、今回は。

(基本私は中国、韓国製品は独断と偏見で喰わず嫌い、パクリ多いし)

原作の方がはるかに面白いと言う評判だけど、それは日本の場合も同様

なので、その点は割引して観た。

 

 

 

 太陽の活動異常により、100年後には地上に住めなくなり、300年後には

地球は肥大した太陽に飲み込まれる・・・という、世界災害。

人類は一致団結して世界政府を樹立、30年かけて地球の回転を止める

トルクエンジンと地球を動かす赤道面に配置された推進エンジンを建設。

以後、17年かけて木星周辺まで移動した。

木星をスイングバイして加速し、目的地の三体世界…もとい、アルファ・ケンタウリ

まで2500年かけて移動しようと言うもの。

 

 異星人が攻めてきてどうこう…と言う話ではなく、エンジンの推力が落ちて

木星の引力にとらわれ、あと37時間でロシュの限界宙域に近づいてしまい

潮汐力で地球は崩壊!…と言う状況に。

ちなみに、ロシュの限界とは主星の半径の2.423倍の距離。

月と地球で言うなら、月が18,000kmまで地球に近づくと、バラバラに

崩壊してしまう事になる…というSFでもなんでもなく現実の話。

 

 で…。

 映画は、全然人間関係が語られないまま、青年が中学生の女の子を

つれて地下都市からマイナス81℃の地表にエスケイプする所からはじまり

目的地も不明のまま盗んだ大型トレーラーで暴走、警察に捕まって刑務所入り…。

そこへ前述の状況で大地震が発生、からくも逃げ出すが今度は緊急事態に

軍に徴用される羽目に。

宇宙飛行士である青年の父ちゃんは、退役を無視して、冷凍睡眠装置を

ぶっとばして宇宙ステーションから息子の支援を行うという物語なんだけど…。

 

 まず、話がところどころ飛んでわけがわからない部分があちこちにある。

SFを読みなれた人はストーリーを脳内補完できるものの、上海にいたものが

次にはフィリピンに移動してたりしてスケール感がまるでない。

巨大なシリンダーをたったの三人で手押しするとか、数え上げたらきりがない

ほどのツッコミどころを満載したまま爆走するジェットコースター映画で。

ただ、つっこみどころに目をつぶれば、エンタメ映画としてはそれほど

悪くはない(エロはないけど)。

 大いびきの夢から覚めた相方曰く。

「なんでこんなにスローモーションが多いの?」

はい、その通り。

スペクタクル場面になったら俳優の顔がアップになってスローになるという

映画手法は監督の趣味だろうけれど、多すぎる。

まぁ、それにくわえて大音響になった「CHASHAAN」よりはマシだろうけど。

 

 木星の大赤斑のあたりを爆発させるとか「さよならジュピター」か?

いやいや、そもそも地球を動かすアイディアはもう50年ほど前に日本が

やっている。

 

 

 子供心に結構怖かった「妖星ゴラス」。

南極に核融合エンジンを設置して衝突コースですすんでくるゴラスから

地球ごと逃げようと言うお話。

おまけに、トドの大怪獣も登場するという超エンタメ映画だった(エロはないけど)。

このポスター↑のとおり、ウルトラマンのビートルは先にここに登場している。

 

 中華SFが、今後どこまでやるかは正直わからない。

私はなにより中国・韓国製品も映画も興味がない。

あまり期待せずにいよう。

 

それにしても。

劉慈欣、よほどアルファ・ケンタウリが好きなんだな。

そんなところに地球を持って行っても、三体世界で大変なことに(笑)。

地球人は脱水できないし…。