バラードの原作は未読だけど映画は面白い。
監督：ベン・ウィートリー
出演：トム・ヒドルストン
ジェレミー・アイアンズ
シエナ・ミラー
ルーク・エヴァンス
エリザベス・モス
他
原題：HIGH-RISE
原作：ハイ・ライズ
著者：Ｊ・Ｇ・バラード
ジャンル：ＳＦ
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WOWOWで、ＳＦ映画６連発のひとつ。
原作が書店に並んでいるのは随分前か
ら知ってはいたし、書籍の帯には「
映画化」と書かれているのも知って
いた。
原作「ハイ・ライズ」そのものはもう
随分古いＳＦで、３０年以上も以前に
書かれた作品で、私はあまり興味もな
く未読のままだった。
英国ＳＦだし、英国映画なので今回は
観てみたら…おー、こういう内容だった
のかと驚き。
こりゃ、「時計仕掛けのオレンジ」と
似た、いかにも英国ＳＦぢゃないか。
３０年以上前の原作なので、かなり
ローテクだし、５０階に満たない高層
タワーマンションが舞台となるが。
プールも病院もスポーツジムも完備され
屋上には空中庭園なみの人工庭園がある
ような高級タワーマンション。
勿論、入居には厳正な審査もあって…。
そんなタワーに独身の医師が入居。
夜ごと繰り広げられるパーティーに参加
するたびに、高層階と低層階での身分的
な軋轢を実感していくことに。
主人公の医師はちょうど真ん中の２５Ｆ
で、どちらのパーティーにも参加する事
になるものの…。
英国の格差社会を風刺した原作と言われ
るだけあって、かなり強烈な風刺調。
Ｒ１５＋なのも伊達ではない(笑)。
これぞデカダンスと言う場面の連続。
子供の頃に観たらきっと、なんぢゃこれ？
と思ったに違いないが、大人目線で観れば
結構面白い。
長期の停電をきっかけに集団ヒステリーが
勃発し、一気に崩壊に向かっていくクライ
マックスが非常にシュール。
綺麗なタワーマンションがゴミためになり
地獄絵図のような状況に変わっていくのが
なかなか。
ただ、２時間はちょっと尺が長すぎる様な
気もするが、何度も言うが「いかにも英国
ＳＦ」と言う事で観ればこんなものか。
ＳＦと言う枠ではないかもしれないが、
原作はどんな感じなのかちょっと気になる。
大人向けの戯曲。
