子供の頃、最初にみた特撮映画

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先日、日本映画専門チャンネルの
「東宝特撮王国」ローレライ発表
記念24時間SPで久々に本作を
観た。
もう、昔の特撮モノではイチオシ
で大好きなこの映画。 
今回はガックリ来た。
 過去二回、私は本作を観ている。
初回は今は亡き親父と家の近所の
映画館で。
当時は大阪市内旭区の森小路って
処に住んでおり、駅前の映画館が
親父と私の憩いの場所でもあった。 
たぶん公開時期的に既にリバイバ
ル上映だったのだと今になって思う。
怪獣映画だと思って付いて行ったら、
なにやらでかい戦艦が空を飛び
地に潜り、海中を進んで怪獣と戦う
映画だった。
初めて劇場スクリーンで観た海底
軍艦「轟天号(ごうてん)」は
やたら重量感のある、全身が劇場の
音で響いてしまうような圧倒的な
迫力で当時7歳の私には「凄い!」
と思わせた。

 

二度目は10年ほど前の深夜のTV放映。
「海底軍艦」のタイトルを新聞にみつけ、子供の頃に観たあの感動を思い出して
わくわくして観た。
勿論、今回は内容もしっかりわかったし、いかにちゃちなストーリーだったかも・・・ 
昔の映画だなぁという実感を味わえたが本作の主役である「轟天号」の重量感ある
映像はTV画面ながらシネスコサイズで相変わらず重量感のある映像だった。
そうそう、この重量感のある映像が観たかったのだと確信した。 
ストーリーなんかどうでもよろしい。

 

 

どうでもよろしいと言ってしまうと身も蓋もないか。
まぁ、関連サイトを観ればストーリーなんか私が書くより詳細なのだが。
主人公の雑誌カメラマンはさておき(をいをい)、魅力のあるのは旧帝国海軍
生き残りの中将と敗戦間近の日本を窮地から救うために新兵器開発に命をかけて
伊403潜で日本から脱出した轟天建武隊の海軍大佐だ。
20年前の終戦を告げられても「自分たちの戦争はまだ終わっておりませんっ!」
と言い切る海軍大佐。
平成17年の今の感覚で観ればもう歩くアナクロ人間である。
しかし、この映画が公開された42年前はどうだったのだろうか。
昨今、「終戦のローレライ」にはまった私には「うんうん!」と実は思ってしまった。

 

 

時、折りしもムー帝国人が海中に一大文明を築いており、どう観ても日本人顔の
ムー帝国人が特殊潜水艦で世界を攻撃中。 
国連の全権大使として元海軍中将が轟天号の出撃要請に南洋の孤島まで出向いて
行った時の回答が前述のそれだ。

 

 

初めて劇場で観たときの記憶は曖昧だが、二度目の深夜放映で観たときの記憶は
かなり鮮明に残っている。

 

 

1:轟天号のエネルギー源を見せるシーン(たぶん原子力を匂わせるシーン)
2:轟天号が破壊されたドックから地中を掘り進んで山を崩して登場するシーン
3:ムー潜水艦に襲われた東京湾、火だるまの海上に重々しく飛翔して現れる轟天号のシーン

 

 

の3箇所が実は今回のデジタルリマスター版ではカットされている。
この3箇所、特に「2」と「3」が極めて重量感のある、CGも使わないで
どうやってこの重量感を出したんだ?!と驚くほどの名シーンなのだが
「カットされている」のだ。
ムカついた。 もう、むちゃくちゃムカついてしまった。
これじゃ海底軍艦じゃない「改定軍艦」・・・いや、「最低軍艦」ぢゃないか!!

 

 

海上から空中に飛翔する轟天号の船体から流れ落ちる水までが、もう重量感の塊の
映像だったにも関らず。ストーリーだけをデジタルリマスターで追うならば、
「昔の映画」だけで終わってしまう。
いやはや、マニアと言われようが、ヲタクと呼ばれようがこのシーンだけはゆずれない。
呪われるべし デジタルリマスター担当者! ・・・あ、私に。

 

 

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話題を変えよう。 これ以上書くとまたムカつく。
「轟天号」はその後も映画「惑星大戦争」や最新ゴジラ映画の「ゴジラ FINAL 
WARS」にも登場しているが、私に言わせればオリジナルの轟天だけが轟天であって、
その他のはみなパチモンの「ゴウテン」だ。
特に「惑星大戦争」に登場する轟天号はひどい、あまりの変わり果てように涙が出てしまう。
艦首に巨大ドリルをつければみな「轟天号」なのだと思っている東宝映画陣は
その考えはやめたほうがいい。
あのシンプルなまでに力強い、本来のドリルの意味を踏襲できるスタイルは「海底軍艦」
の轟天号だけ。
(だいたい、ドリルがあっても艦橋が出たままの船体でどうやって地中を進むのか・・・ 
オリジナルは艦橋も引っ込んで魚雷型のスタイルに変形する)

 

 

この「海底軍艦」の原作は明治時代に書かれた冒険小説のようだ。
空も飛ばないし、地中も潜らない。
しかしどうやら、海上と陸上は走破できるスーパー戦艦が原形のようだ。
今となっては入手困難な原作だろうし、「ワレ発進ス」とかカタカナ混じりに書かれた
原作も読むのは一苦労だろう。
CGを使えなかった頃の特撮技術・・・ 私はそれなりに今観ても味があっていいと
思うが。
いや、むしろ今の綺麗なCG画像より煙だの爆炎だの迫力があるように思えるのだが。