情けないと思わないのか。自我の消失、与えられた空想への依存と執着、そしてそれにとらわれ続ける自分という存在。


羽を散らせたあの少女と同じだ。次第に調子づくとやがて自分の理想を押しつけ始める。
そして更に渇望し始める。自分はまだまだ愛され必要とされ執着し続けなくてはならない存在なのだという激しい勘違いの元に。



皆同じだった。
落ち着くまでは只疑心暗鬼に依存し執着する。言葉を求めて愛情を誤解し、そして自我を溶けるように失っていく。
信頼、信用、その言葉を頃合い良く踏み切れば、とろけた自我は崩壊し、ただ妄想に寄生するだけの依存症末期へと突入する。

だが次第にその信頼と信用の贋作は傲慢な欲求を呼び出すようになり、確立しないまま寄生し続けた自我に勘違いを生じさせる。

自分は必要とされるべき、無償の愛情を受けるべき、飢えた愛情の骸なのだと。


そして、やがて理想の物語を作り出す。

自分がただひたすらに、ひたむきに、愛され必要とされ、我が儘も理不尽な欲求も、欲情も叱咤も好きに与えてもらえるべきヒロインであり、その物語は絶対的で、叶わない世界は酷く残酷であり、自分は絶望された生き物になってしまうのだと。



自我というものを強く意識する人間にとって、自我を寄生させる人間は非常に理解し難く、嘲笑を込めた目で眺めることになる。


そしてこれらは脳神経の異常がきたす病なるものではなく、一個人の文字の羅列のみで引き起こすことのできる催眠に近いひとつのトリックに過ぎないのだ。
君がその人のものを全て共有して貰えるなんて浅はかな考えにもほどがある。


君はその人と同等なの?まさか。笑わせないで、愚かな下素猫。


君のものをいくら明け渡してももらった先から投げ捨てていくだろうさ。
君にはなんにもくれないまま、君は渡すことだけしていくだろう。


君は空っぽになって棄てられるんだよ。君にはなんにも残りやしない。



愛されていると錯覚して、愛され続けなければと妄想して、永遠に君は救われない。

君の価値観は誰かに共有されたとしても、君の愛する人には共有されることはない。
微妙な変化に違和感を感じながら、ようやく落ち着き始めた信頼に縋る。
自己暗示は次第に強気な信用に変わり、君は階段を転げ落ちる準備を着実に整える。



そういえば、こんな子供がいたっけか。
懐くだけの小さな子供。
全てを甘く軽んじている幼い子供。
君はまだ、此方を振り回せると思い込んでいる??

君の居場所はとっくに消えた。懐かれる自信を失ったから、今更機嫌を伺うのだろう。


残念ながら、君は所詮暇潰し。君のような子供には此方を手にする術さえない。




そして残念ながら。
君は所詮二番煎じ。