いつもゴミ箱をきれいに掃除していくおばちゃんがいる。

もちろんお仕事で。


頭をビシッとスポーツ刈にきめたそのおばちゃんとボクは仲がいい。

気前のいいおばちゃん。

なんでもほしがるおばちゃん。

泊まりの日には、朝起こしてと頼んだこともある。

今日なんか、ボクがあまりに不憫に思えたのか、仕事を紹介してくれた。


ちょっぴり油の臭いのするいいおばちゃん。


そんなおばちゃんにもひとつ欠点がある。

ゴミ箱に(厳密にはゴミ箱の上においてあるものを含む)入っているものは

なんであろうと、すべて捨てる。

「私にとってゴミ箱の中のものはすべてゴミなのよ」

というこのおばさんの実直な姿勢たるや 頭が下がる。


ただ、その実直さが裏目にでてしまうことがある。


以前、うちのボスの上着がなくなった。

どこを探しても見つからない。

心当たりは、すべて探したが見つからなかった。


そこに、ある人からの有力情報が舞い込む。

朝、上着がゴミ箱に引っ掛かり気味に落ちていたという。


まさか、まさかね。服は捨てないだろう。

誰もがそう思った。


でも、探せど探せどやっぱり見つからない。

で、おばさんに聞いてみると。


「捨てたよ」


ときた。

あら、また、あっさりと。

おばちゃん何言ってんの・・・


ゴミ箱においてあるのが悪い。

そう言い張っている。

「まぁ わからないでもないけどさ。そうゆう時は、一回その辺の人に聞いて。」

おばさんをたしなめ、ボクらはゴミ置き場へ急行。


ゴミ置き場で、ゴミ袋を開けまくること15分くらいか。


「あったーーーーー」


ゴミにまみれた服があった。

なんか、宝物でも見つけた気分でしたよ。

で、敵の大将の首でもとったかのように、意気揚々と引き上げたもんだったね。


今日、またおばちゃんがやりおった。

小柄な女性スタッフTがゴミ箱の上において置いたダンボールが消えていた。

ダンボールといえど、必要なものでして。


「ここにおいて置いたダンボール知りません?」


そう言われた瞬間

やつだ。

ボクは確信したわけで。

ボクとTは、おばちゃんを見つけ


「あの上に置いてあったダンボールって捨てた?」


「うん。捨てた」


「あれいるやつなんだわ」


「ほーか」


と笑っている。


その場でおばちゃんのゴミ袋をあさってもらった。

ゴソゴソやっているおばちゃん。

急かすボク。

見守るT。

なかなか見つからない。


少しして、なにか目当てのダンボールらしきものが出てきたその瞬間。


「もう、いいです。大丈夫です!!」


普段は、あまり大きな声で叫ぶことのないTが叫んだ。


「もういいの?」


「大丈夫です」


「んじゃいいわ。ごめんね」


「ええよ」


おばちゃんに、ゴミをあさらせる行為をTはかわいそうに感じたのかなぁと思ったボクは、少し行ったところでそれとなくTに聞いてみた。


「ゴミ袋をあさらせて、不憫に思ったの?」


するとTは半笑いで


「だってダンボールにすっごいコーヒーのカスがついてましたもん」


といってのけた。


そうゆうことね。