「あのさ、私の退院日に△△さん、出勤か知ってる?」
「今週は平日出勤と言ってたのでいると思いますよ」

彼女の担当である作業療法士のシフトを訊いた。

「でも、paingtonさん、△△さんにそんなにリハビリやってもらいましたっけ?」

不思議そうに尋ねてきた。


「あの人はね、私がこのリハビリ病院に転院したときに、一番最初に声をかけてくれて、自主トレを色々提案してくれたの…」

その作業療法士は私の担当ではないが、自主トレは何をやっているかと尋ねて、作業療法の自主トレをどんどんやらせてくれた。

そして、理学、作業、言語と毎日休む暇がないほど自主トレをしているのを知ったとき、担当にすぐ

「自主トレの優先順位を担当同士で話し合え!」

理学療法士、作業療法士にそう言って調整させた。

私が自主トレをやり過ぎているのを心配してくれては

「休むのもリハビリですから、身体を休ませて下さい!」

そう叱ってくれた人でもある。

料理実習でジャガイモが持てないと聞くと、ボールにテープを貼り付け、

「これをジャガイモだと思って、左手でジャガイモを廻す練習をしてください」

そう言って、わざわざ病室に持って来てくれた。

バーチャルリアリティのリハビリをしているときも、理学療法士と一緒にリハビリを見ては進行状況を確認してくれた。

「若い療法士は年を取るということが分からないんですよ…何しろ一晩寝たら疲れが取れちゃうほど元気だから」

そう言って、年齢を重ねたおばちゃん患者の気持ちを理解してくれた。

彼の言葉、行動を思い出すと、自然と涙が出てくる。

「だから、ジャガイモボールを見ると涙が出てくるのよ…」
「paingtonさん……」

自分の担当でもないのに、私の自主トレ全体を見て担当に指示を出し、私にもやり過ぎるなと注意をしてくれた.。

患者を、それも担当以外の患者にここまで言ってくれることなど滅多にないのではないか。

厳しくも優しくも入院中見守ってくれたのが、その作業療法士だった。

素っ気ない話し方をする人だったが、彼の人間性はとても暖かかった。


後日、その作業療法士に退院挨拶をしたときには、私は涙声になった。
言葉にならず、涙が溢れた。

たくさんのリハビリスタッフにお世話になったが、涙がとまらずに涙声になったのは彼だけだった。

不安な気持ちで転院し、自主トレはやろうと思うものの、どうしたらいいか分からないときに声をかけてくれた。
あの作業療法士がいなければ、私のリハビリの結果は変わっていたかもしれない。
いや、絶対に後悔を残したに違いない。

患者の不安を見定め、的確な自主トレを提案し、全体を見てくれた彼には感謝しかない。


今でも彼の作ってくれたジャガイモボールを思い浮かべると、目頭が熱くなる。

今でも忘れられないリハビリスタッフの一人だ。
そして、この作業療法士の優しさはいつまでも私の心に生き続けるだろう。


このブログは、一素人患者が経験したこと、考えたことを書かせていただいている。
そのあたりをご理解いただけるとありがたい。

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