「昨日、恐怖心って言われたんです…」

管理職とのリハビリで言われた言葉に納得出来なかった私は、理学療法士に、昨日のリハビリでの出来事を伝えた。


その理学療法士はよく話を聞いたうえで、

「どこを歩けなかったのですか? 」

予定していたリハビリをキャンセルした。


「あの遠いビルはどう見えますか?」
「あの向こうの建物は?」
「道はどう見えてますか?」
「あのマンション分かります?」

いくつも質問をしてきた。


翌日も、同じコースに行った。
その夕方、彼は病室にやって来た。

「もう一度、教えてもらっていいですか?
遠くの建物はこう見えたと言ってましたが、間違いありませんか?」

彼の表情は真剣そのものだった。
どうも、引っかかるようだった。


そして、翌日、真剣な表情で

「見えてないと思うんです……」

彼の言葉に驚いた。

「えっ?だって普通に見えるし、何が問題なのですか?」

「大変厳しいことを言うようですが、見えてないです…」


歩けるのに何が問題だと言うのだろうか。
私は食い下がった。

「視野がおかしいってことですか?」
「いや、違うと思います…」
「歩くのは危険だと言うのですか?」
「外出は危険だと思います…」
「……屋外歩行練習は行けましたけど…」
「一人での外出はかなり厳しいです…」

呆然とした。
まさかと思った。

もう退院日も決まっていた。
なのに…。


元の体にほぼ戻れると思っていたことが夢と終わるのか…。


その夜は、とても長かった。
入院して初めて眠れなかった。



このブログは、一素人患者が経験したこと、考えたことを書かせていただいている。
そのあたりをご理解いただけるとありがたい。