ラポールという言葉をご存知だろうか。
主に精神科で使われる用語なのだが、医療職と患者の「信頼関係」「心の架け橋」と訳せば良いのだろうか。
この関係が出来て、治療などにポジティブな結果をもたらすことが出来る、そのように私は理解している。
しかし、そんなに簡単に簡単に信頼関係が出来るのだろうか。
今となっては、そんな簡単なものでもなく、誰とでも出来るものではないと思う。
ただ、私は脳梗塞になって、このラポールを経験した。
それは急性期病院でのことだ。
私は脳梗塞、それも進行性脳梗塞(BAD梗塞)になり、命を落とす瀬戸際から這い上がったものの、完全な半身麻痺となった。
半身麻痺という状態では、まず立てない。
立てたとしても、歩くなど、とても出来ない。
足を動かそうにも動かないし、動かせたとしてもバランスを崩して倒れる。
いつ倒れるか分からない恐怖との闘いだ。
体のことよりも、まず、半身麻痺という残酷な現実は精神的にとても受け止められなかった。
自分の体に起きている残酷で、明るい未来などとても考えられない現状は、とてつもなく重いものだった。
「私はこの現状を受け入れられないのよ!」
私はリハビリセンターで大きな声で叫んだ。
私はあまり人前で自分の感情、とりわけネガティブなを感情を出すことはない。
私は徹底した合理主義な人間で、感情では何も解決しないといつも思っていたし、今でもそう思う。
ただ、このときは叫んでしまった。
このとき、もし
「大丈夫ですか?」
「リハビリを頑張ればきっと良くなる」
そんな安易な慰めを言われたら、どの理学療法士も受け付けず、自分の殻に閉じこもって、リハビリに積極的にはならなかったと思う。
共感してもらっても、何もならない。
しかし、私の担当であった新卒理学療法士は一言も言わず、寄り添ってくれた。
その人間性に私は安心した。
安堵した。
この新卒理学療法士の存在がなければ、私の現在はなかった。
もっと違った人生を歩むことになったと思うのだ。
長くなるので、続きは次回に書きたいと思う。
このブログは、一素人患者が経験したこと、考えたことを書かせていただいている。
そのあたりをご理解いただけるとありがたい。
