手の麻痺は作業療法士のおかげで、少しずつ確実に回復していった。

作業療法士の仕事範囲は広く、指を動かすだけではなく、 日常生活に適応出来るよう、お風呂の練習、洗濯、買い物、料理など様々なことまでやる。
パソコン、ドライブイングシミュレーターもやる。

不自由になってから、腕、手がどれだけ大切な存在であるか身にしみて感じた。

大げさかもしれないが、人間が文明を作り出すことが出来たのは、二足歩行、そしてこの手の動き、とりわけ親指の360度動かせることが要因だったと自分の体を通して人間の進化を感じた。

私の目標であった
「お茶碗を持ちたい」
それは3ヶ月を過ぎた頃叶えられた。

脳卒中集中治療室で夜中一人で未来を悲観しては泣いていた自分に言いたかった。

心配しなくても大丈夫だよ
リハビリスタッフが導いてくれるよ

私のリハビリは、 急性期病院では理学がリードしていたが、ここでは逆転した。

原因は明らかだった。