私的日本三大死語 | 人はパンのみにて生くる者に非ず 人生はジャム。バターで決まり、レヴァーのようにペイストだ。
回教・女史・ビフテキ、でいこうかな、と。

回教・・・「パーレビ国王」な薫りも漂ってくる言葉。昨今では「イスラム教」と云う言葉も使われなくなってきている感。単にイスラム。より玄人感を出すと「イスラーム」。
女史・・・女の名前には「氏」と云う敬称を付けていなかったものである。未だに女医とか女社長とか、女自ら肩書的に名乗っている場合も散見される中、女史の廃れっぷりは異次元。
ビフテキ・・・すっかり廃れた回教や女史に比べれば十分に使われているが、明らかにその頻度はか弱く痩せ細っている。ビーフステーキの略かと思いきやフランス語「ビフテック」由来らしく。そしてビフテックの対象となるものはビーフだけではない。つまりフランス的には、「ポークのビフテキ」も有り得るわけだ。「ポークのビフテキ」で思い起こされる語としてトンテキがあるが、今やビフテキよりもトンテキの方が使われているような気がする。これもビフテキのより一層の没落感を醸し出している。


ビフテキの代わりに、「アベック」を挙げようかなとも思ったが、そうなると「ナウい」のような一時的に流行した語に連なってくる感ありけり。アベックもまたフランス語由来であり、回教・女史・ビフテキと同じく昔から使われている由緒正しき語なのだが、余りにも昭和後期感が強過ぎる。アベックはスキーブームの終わりと共に葬り去られた。