【長岡京】このレシートの文字 わるい文字 | 人はパンのみにて生くる者に非ず 人生はジャム。バターで決まり、レヴァーのようにペイストだ。


この事件の肝はやはりレシートの裏側に書き残されていた文字。
「オワレている たすけて下さい この男の人わるい人」

気になることは色々あるが、「たすけて」の「す」が奇妙な形をしている点はどうしても目立つ。しかもこの「す」のすぐ隣にうっすらときちんとした形の「す」と云う字まで残っている。つまりこれは最初に書かれた「す」の字が奇妙な形で分かりにくいと思われるから、わざわざ書き加えたわけである。またこの「す」の字の形が奇妙な部分がとりわけ濃く書き残されている。「す」の字自体も他の文字と比較して濃く書かれており、そのすぐ上の「た」の字も真ん中から下の部分が「す」の字と同じ濃さとなっている。その一方で特に最後の行「この男の人わるい人」は酷くかすれた状態となっている。字のかすれについては、レシートはポケットの中から発見されたわけだから、動いている内に薄くなったのかなとも思われるが、そうなると濃い部分が余計に怪しく映る。また奇妙な形となった「す」の字のすぐ横に補足的に書き添えられている綺麗な「す」の字のかすれ具合も中々のもので、こうなると何故にこの「す」の字を書き加えたものか、謎は深まるものでもある。

このメモ書きを眺めて次に感じられることは、当初は「オワレている たすけて下さい」で済まそうと思ったがその後に「この男の人わるい人」を書き加えたと云うことである。スペースの関係からそのことは容易に受け取れるものだが、それが「オワレている たすけて下さい」を書いている途中に考え付いたのか、書き終わってしばらく経ってから考え付いたのか、その部分については分からない。それから、「す」の字の奇妙さとは対照的にその他の文字については非常に綺麗に書き残されている点も目立つ要素である。「たすけて下さい」の「た」、そして何と云っても「す」が書き乱れているがその他は存外に気品と云うものに溢れた筆跡となっている。

「オワレている」と云うことになっているわけだが、しかし、本当にそうなのか。実はこの点、非常に疑問の残るところで、「オワレ」って何だよ!?と云う話なのである。何故、カタカナなのだ。本当にこれは「オワレ」なのか。

これ、実は「オクレ」なのではなかろうかと推察する。つまり、「オクレている たすけて下さい」となるわけである。元々は業務連絡的に書かれたもので何らかの作業が遅れていたから、他のパート従業員(被害者はスーパーのイズミヤに勤務)にメモ書きして控室のテーブルやロッカー等に書き置きをしていたように思うのだ。オワレと云う単語はないが、「オクレ」と云う単語はある。「3分遅れ」と云った形で。また漢字も若干複雑であり、面倒だからかな書きしたとしても不思議はない。したがって遅れていることを目立たせる観点込みで「オクレ」とカタカナ書きした可能性と云うものを考える。

奇妙な「す」の字については、角張った感じのものになってしまったので一旦角張った部分の内側に本来書くべき丸い形を書いたものの、やっぱりこれでは読み辛いかと云うことでその横にもう一度「す」と書いたのだろうと思わせたいのだろうが、実際のところは最初からきちんと「す」の字は書き残されていたのではなかろうか。しかしこれでは追われているような状況で書かれたようには見えないから、角張ったように変形させた上で改めて、その横に清書した恰好の「す」の字を書き加えたように見える。

いずれにせよ、警察の捏造を疑うところである。このメモ書きは鉛筆によって為されたものだが、鉛筆探しのために警察はわざわざ大規模に現場周辺を掘り起こして、この鉛筆の芯の部分を発見しているのだ。これによって現場に於いてこのメモ書きが為された証拠と云うものが確保されたわけである。しかし鉛筆本体が上がることは遂になかったのである。鉛筆本体には被害者の指紋が付いていなければおかしいことになるわけだが、しかし、芯には指紋などなくても良い。「この男の人」の記述が決め手となって単独犯であることを警察は断定した。単独犯でなければならない理由があったのだと云うことだろう。