はるかなる楽園 -9ページ目

はるかなる楽園

それは、何処かのもう一つの世界のもう一つの物語たち・・・・。

住まう団地の部屋の駐車場の前の芝生で、


おれは斧を持って、


腐った牛の生首とゴールデンレトリバーの死体を片付けるよう促される。


牛の生首は酷く腐敗しているが臭いを放ってはいない。


生き物が死ぬといつもおれが片付ける事になっている。


この芝生の手前の団地の軒下には数え切れない生き物の死体が埋まっている。


全部おれが埋めた。


牛の生首は腐敗しているだけに硬直が解けており弛んでいてつかみにくい。


どうして?


これから埋葬するというのにシャベルではなく、


どうして斧を持っているのだろうか?


ここではそんな事を考え出してしまうと、


決まって次々と厄介な事が起こるから疑問を無視する。


向かいの棟の公園に至る道に、むかし大嫌いだった同級生が居る。


ぶざまに歳を重ねていて、おれよりも遥かに年老いて見えた。


イヤなものを見たおれは目を逸らして腐敗した牛の生首を斧で四等分にかち割る。


それは、そうすれば早く土に分解されると思ったから。


ゴールデンレトリバーの死体は、忌々しい団地の住民が嫌悪感を抱く様に放置した。