風 | はるかなる楽園

はるかなる楽園

それは、何処かのもう一つの世界のもう一つの物語たち・・・・。

風 2008年12月10日22:49


昼間。


悪夢から目覚めて最悪な気分。


部屋に居るのが凄く気持ち悪く、慌てて支度しエレベーターを降りる。


普段は全てが閉じていなければ気が済まないのに・・・・。


エレベーターの下降と閉塞にどうにかなりそうだ。


ようやくホールに到達してドアーが開かれると、酒臭い。


昼間っから相当飲んでる奴がそこに居た証拠だ。


イヤな気分になる。



中庭のベンチに腰をかける。


煙草を忘れた!


気が狂いそうになって髪をつかむ。


ざわざわする。


こんなにもおれは苦しいのに、この晴れがましい太陽を深く憎悪する。



けれど、上から見下ろされ続けるのもシャクに触るので、


体裁も無く芝生に寝そべり「此処まで降りて来てみろよ」


と、思いながら太陽を嘲笑する。



そして真上の太陽に向かって唾を吐いた。


そうすると、自分に向かって落ちてくるのは解ってる。


けれど敢えてそうしてみた。



しかし、そのとき風が吹いて唾をおれの寝そべる左側へ流してくれた。


北風と太陽。


風はおれに味方した。