木村さんへ | はるかなる楽園

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それは、何処かのもう一つの世界のもう一つの物語たち・・・・。

2008年10月14日13:23
木村さんという明るくてイカしたおじさんがいました。
おれが日通で働いていた時の傭車のドライバーでした。

口と舌でちゅぱちゅぱする気持ち悪いヘンなチックの持ち主なんだけれども、
ソレを補って有り余る程イイ人でした。

白髪混じりで、そろそろ引退だろうと一見思うのですが、
力もそこそこあり、何よりテンションが凄く高くて、
重たい荷物でも進んで運ぶ勤勉なガッツのある人でした。

そしてその一生懸命なテンションが周りの人たちを、
知らずのうちに元気づけていたようにも思います。

休日もろくにとらないで・・・。

おれの働いてた支店は三つくらいの派閥みたいなのが存在していて、男同士の醜い暴力と意地の張り合いが渦巻く、醜い最低のるつぼでした・・・。

そんな中、
誰の悪口も言わないで明るい、場を和ませる、あの明るさは木村さんだからこそのものでしょう。

木村さんは亡くなられて五年ほどになるそうです。

死因は過労だったそうです。

別段、生活が厳しかった訳でも無かったそうです。

どうやら、仕事が本当に好きだったんですね・・・。

本当に良い人は、どんどん召されてしまう世の中ですね。

生き物たちは草木一本に至るまで、
罪を被る為に生まれてくるのではないかな?
と思ってしまいます。


よく働いた日の、その後の眠りが安らかであるように、
真面目に生きた人だけが安らげる場所がきっとあの世なのかな?

そうしたら、おれはまだそっちの世界には行けないね、木村さん。

随分先になるけれどもう一度会えたらいいな。