そして もう一人 悲劇の人
ウイリアム=ハミルトン
アイルランド人
四元数 の発見者
四元数とは
以前にも記事に書いたが
実に難解でぼくはまるで解っていないのだが
テレビで見た時 数式が出ていて
それをここに書こうとすると
累乗の指数が出てこない
なのでそこは言葉で表現すると
ai+bj+ck+d=o かつ
i2乗=j2乗=k2乗=ijk=-1
とかだった気がするが
この2行目の式はぼくの頭では理解不能
川沿いの道の散歩の途中で
眼鏡橋を見て突然ひらめいて
その橋の石造りの橋桁に
思わず石を拾って刻みつけた
らしいが
この本の著者がそこを訪れた時には
それらしき形跡は見つけられなかった とか
眼鏡橋の
そのレンズの部分を
両方の穴を
一つの物体が同時にすり抜ける
それを表現する数式が四元数
なのだとか
彼が生きた時代
アイルランドはまさに冬の時代だった
イギリスに併合され
人々は圧政に苦しめられていた
主食にしていたジャガイモに
数年にわたって病害が発生し
人口の大多数の人が餓死し
生き残った多くの人がアメリカへと渡った
そんな中にいても
彼は若い時からの才能が認められていたから
国立天文台の天文台長になる
大学での学問の道もあったが
妹達や家族を養うことを考え
圧倒的に収入の多い方を選んだ
その天文台からの散歩道
そこでの発見が四元数であった
そこまでは栄光と言えるだろうが
彼は若い頃の心の傷をずっと引きずって死ぬ
それは 彼がまだ大学での勉学中
同じ大学の親友の妹を好きになり
結婚したいと考えるが
彼女の父親は
将来どうなるかもわからない若者との結婚を認めない
そのうち彼女は親の勧める相手と強制的に結婚させられ
彼が天文台長となった功績は
悲しい恋を取り戻すことはできなかった
彼は40歳頃までずっと独身でいたらしいが
ある時突然
実に不似合いな女性と結婚してしまう
彼の妹たちは呆れて天文台を去ってしまう
更には家政婦の女性までも
そんな中で結婚相手の女性も去って行き
彼は一人
天文台に取り残され孤独死する
死体が発見された時
彼はミイラと化し
部屋には食べかけの肉片とか
骨とか酒瓶とかが大量に散らばっていた
なんて悲しい人なんだ