「ラッカは静かに虐殺されている」を観てきました。
「アラブの春」に続くアサド政権の弾圧、さらにISに制圧されたシリアの地方都市ラッカ。海外ジャーナリストも入れない廃墟と化した町では、日々公開処刑がおこなはれたり、子どもをあつめて軍事訓練をしたりしてゐる。
そんな惨状を国際社会に伝へるべく、匿名の市民ジャーナリスト集団
“RBSS”(Raqqa is Being Slaughtered Silently…ラッカは静かに虐殺
されている)を結成して、トルコやドイツ経由でSNSに投稿を続けて
ゐる。
本作は、マシュー・ハイネマン監督により、国外メンバーを取材したりISの映像を交へたりしながら、ラッカの惨状とRBSSの活動を描いてゆく。そして潜んでゐるドイツでのヘイトスピーチの場面も。
ラッカに残り情報を送り続ける市民、それをSNSに投稿し続ける国外メンバーともに生命の危険に直面しながらの情報発信。彼らの活動がなければ世界はこれを知ることはなかつたらう。
アサド政権、IS、そしてISが排除されても次なる勢力に踏みにじられる現実、今なほさまざまな勢力がぶつかり続けるシリアの苦難を思はずにはゐられない。