B級映画の帝王、ロジャーコーマン死す。

プロデュースではやっぱDキャラダイン+スタローン+極悪スーパーカー大陸横断の「デスレース2000年」だが、個人的傑作は監督作でエドガーアランポー原作の「悪魔の振子」。ポーの数々の短編をミックスしてラストカットまで驚愕の見事な風格のホラー。脚本はリチャードマシスン。同じスッタフでの「アッシャー家の惨劇」を先日アマプラで観て原作を読み直したところだった。

そのマシスンは「地球最後の男」「激突」「ヘルハウス」等数々の原作を手掛けまさにアメリカンホラーの父と呼べる作家で私も沢山読んだ。基本短編がほとんどで読みやすい。

勿論生粋のホラー作家としてはスティーブンキングが筆頭だが、映画化された原作は長編が多く私自身が読破できたのは1冊だけ。それがバックマン名義でのデビュー作「死のロングウォーク」だ。
なぜかこの作品だけは映画化されていなかったがさっきyahooニュースで映画化されると知った。

はっきり言って(今更ながら)原作は世界中の作家に影響を与えたとんでもない傑作です。これほど切なくリアルな青春小説もない。「スタンドバイミー」の原点でもある。
14歳から16歳までの選抜された少年が毎年アメリカ・カナダの国境から南へひたすら歩き続ける競技。最後のひとりになるまで。
「バトルロワイアル」はもちろんこの作品の影響下にある。多分元ネタはマシスン原作の不条理超短編「レミング」。
ポー→マシスン→キング、とアメリカンホラーは連綿と継承されているのである(強引)。
しかし映画化はちょっと不安やね。「ハンガーゲーム」(これ自体バトロワのコピーで悪くはなかったが)の監督らしいがあのノリとはちょっと違う。

俺はいつまで歩いていられるんだろうか。
とにかく切なさが肝心よ。

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