姉歯一級建築士による耐震構造データ偽造問題は、木村建設の不正経理が明確になったことで、姉歯氏の個人的な問題から構造的な問題へとシフトすることになろう。
各種報道を見ていて、これが官から民へという構造改革の持つ問題であるという指摘もあるが、これは明らかに誤り。
検査を官が行えば正しく、民が行えばいい加減になるという「官尊民卑」の思想では、この問題の抱える底流は見えてこない。
さらに、官の検査でも不正が見分けられなかった事態まで発生しており、検査体勢そのものの問題としてこの問題は捉えられなければならない事態となった。
だとすれば・・・
不完全な検査体勢を放置した行政の責任は大きい。
そして、報道機関が報じない根本的な問題が横たわっている。
それは、検査機関の独立性の問題。
別の事件になるが、カネボウの粉飾決算が問題となったとき、それを監査した中央青山監査法人の監査が問題になった。
そして、アメリカ・エンロン社の破綻にも監査法人による不正な監査が問題となった。
カネボウの場合もエンロン社の場合も、監査法人は経営陣から圧力をかけられ不正な監査を行ったと報じられている。
今回のイーホームズは、圧力をかけられたという報道はないが、検査機関の競争の中で「あの検査機関は甘い」という認識が業界内にあったという。
監査法人の例を出したのは、監査法人も検査機関も民間団体であるから、競争原理が働く。
しかし、取り扱っている商品の質やサービスは、競合他社と同じものが保証されなければならない。
そして、その保障されたサービスは、監査法人であれば株式市場というインフラに、建築の検査機関であれば建物の性能保証に生かされ、私達の生活の根底を支える役割を担う。
この検査会社の独立性の問題はもっと議論されても良い。
市場原理の中で、大切なものであるがともすれば独立性が怪しくなる存在である。
この検査機関を守る動きは、もっとあっても良い・・・
ただ・・・
今回のイーホームズに関しては、検査能力が劣っていたのであって、それ事と、検査機関を守る事は別問題である。
そして、それに対して検査機関という指定を与えた行政サイドの問題は問われるべきだと思う。
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