恩田陸先生は持ってるなぁ・・・・・・

 

そう思ったのは、恩田陸さん原作の『蜜蜂と遠雷』が映画化され、音楽の世界から舞い降りたような少年、風間塵の音源を記憶にも新しい、チャイコフスキー国際コンクールで2位に輝いた藤田真央君が演奏されると知った時です。

 

ただ、そこに至るまでの恩田陸さんの苦悩と努力の日々を知ると、そういう不思議なめぐり合わせも、今は必然のように感じています。

 

この作品を初めて読んだ時、過去に読んでいた恩田陸さんの作品とは違うものを感じました。

正直なところ、今までは恩田陸さんの本はブックオフなどで気が合いそうな作品を購入し、重いテーマのものでも、あまり再読することもなかったように思い出します。

 

環境が変わったとはいえ、恩田先生の作品をKindleに入れてじっくり再読しているのは、初めてです。

 

この作品を描く為、浜松国際ピアノコンクールに4度も通い続けたという恩田先生。

(浜コンは3年に1度の開催なので、この作品を仕上げるまでにどれだけの時間を要したのか、どれだけ苦労されたのかは・・・・後書きからもしっかりと伝わってきます)

そんな大変な難産の中からであっても、気難しい気取った表現は使わず、いい意味で音楽にあまり興味のない方にも読みやすい作品だと感じるのです。

それぞれの人生を生きる人間のドラマとしても読み応えのある作品になったからこその、直木賞と同時に本屋大賞のダブル受賞という快挙につながったのだとも思うのです。

とはいえ、風間塵だけは人間離れした不思議な少年。

けれど、そんなキャラクターが登場することによって、トラウマから脱したり成長したり、今までとは違う、新しい道を開いてゆこうとする才能あるコンテスタント達との交流の様子はとても清々しい。

 

文章はとても読みやすく、登場人物の心の内面から溢れる言葉が増えてくる中、コンクールでよく演奏されるピアノ曲が脳内で再生されるような感覚はとても心地よく、しばらく聴いてない曲をAmazonプライムで探したりしてしまいます。

 

映画の中の演奏が楽しみなのは藤田真央クンだけではありません。

 

河村尚子さん、福間洸太朗さん、金子三勇士さんが、主要な人物の演奏をされるので、作品の中のどの曲を演奏されたのかと、観る前から楽しみです音譜

 

特に気になっているのは、課題曲である『春と修羅』というのはどのような曲かという事です。

また、この曲で賞を取られた高島明石役の福間洸太朗さんが、どのように演奏されたのかは読んでいる時から気になっていました。

宮沢賢治の『春と修羅』をそれぞれのコンテスタントが、自らの解釈で演奏するこの場面は、非常に心に残っています。

妹トシとの永久の別れの詩、「永訣の朝」の中のトシの最期の言葉かもしれない、

「あめゆじゅ とてちて けんじゃ」という言葉をメロディーにしたというあたり、どのような音楽で聴かせてくれるのかと・・・・・・

 

そして真央クンが演奏した、風間塵の演奏した、まさしく『春と修羅』だったという演奏もぜひとも聴かせてほしい。

もちろん、マサルのカデンツァも!!

 

とはいえ、本では上下巻の2冊の作品です。

映画では、濃縮してギュッと描いたようなので、音楽場面が短いことは覚悟していますが^^;

 

 

 

 

 

 

『蜜蜂と遠雷』の公式サイトです。

https://mitsubachi-enrai-movie.jp/

 

 

実は今月は『チャイコフスキー国際コンクール』の優勝ガラ・コンサートの大阪公演にも行く予定です。

https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=774

 

 

 

ピアノ演奏は、藤田真央クンと2位をわけあったドミトリー・シシキン君です。

シシキン君は、ショパンコンクールの時からなぜか心惹かれるコンテスタントだったので、彼の生演奏を聴けると思うと、心がワクワクしてきます。

 

10月になり、ややこしい消費税問題もありますが、うまくやりくりしながら、でも心や豊か過ごしたい。

そんなことを思う時期に素晴らしい音楽は幸せを運んでくれるように思います。

 

ガラ・コンサートや『蜜蜂と遠雷』を通じて、睡眠不足と戦いながらも、ネット中継を追いかけた日々の感動が、鮮明によみがえってきそうですドキドキ