いよいよ来月の2日に初演が近づいたK-Balletの新作バレエ「シンデレラ」

昨夜、ファンクラブの会員向けに素敵なカードが届きましたが、メイキング映像を作るそばには
私服の熊川さんが映っていてて「今回は私は裏方に徹します」と宣言されていました。
あぁ・・・やはりサプライズの哲也王子様はないんだなぁ・・・とあきらめの悪い私ですが、
作品の隅々にまで熊川哲也の魂がこもってることは実感できたので、観に行ける日が待ちきれない気分になります。

実は先日、やっと観ることが出来た「死ぬまでに一度はバレエを」という番組は、本当に
素晴らしいものでした!!
(これはできればTBSさん、夜中でもいいので全国放映して下さいーー!!)
ぜひぜひ、一人でも多くの人に見て欲しい濃度の非常に濃い、素敵な番組なのですから
新作バレエを創り出すための、文字通り心身をその作品に捧げている姿を、
そして今、熊川哲也のバレエ愛がいかに深まってるかをもじっくりしっかりと伝えてくれるので、
この番組の後、チケットの売れ行きがぐ~ん!!と伸びたのもうなずけます。

そして熊川哲也が語る、私達が公演に持っていくものは、「色々な知識じゃなくて、受信力」
その「受信力」とは1000人いたら1000通りある!!と。
また他の番組でも語られていましたが、「人生は感動の歴史である」とも語っていらっしゃいました。
この言葉を彼は今、とても大好きなのだそうですが、感動を創り出す苦労や準備が尋常でないと
その大変さも伝えてくれるので、番組自体にも感動させられ、この番組自体が私の感動の歴史の1ページになりました

また「シンデレラ」のメイキングだけではなく、バレエの歴史にまで触れてるあたりも嬉しい。
(今ではバレエ作品の代表のように思われてるチャイコフスキーの「白鳥の湖」が最初の20年は
酷評されていた事実や、大成功できた、たった一年前にチャイコフスキーが亡くなったことなども
熊川さん本人が語ってくれたり・・・)
哲也君が「バレエの母」だと語り、愛してやまない作品の誕生秘話について話してくれるのは、
バレエ好きにとっては、「チャイコフスキー大先生」と呼んだりする熊川さんを知ってるだけに、
なんとも改めて切なくなります。
ご自分が今や人類の宝物を残したことを知らずに亡くなったチャイコフスキー先生、「白鳥の湖」が
今では世界中で上演され、愛されてることを、あの世の舞踊の世界で知ってくれてるのでしょうか・・・・

それに熊川さんは、ヌレエフについても語ってくれたのですが、
ご存知の方も多いとは思いますが、若い頃の哲也さんは、お客様がいないところで踊ったり飛んだりしても
「損したような気がする」なんて、あくまでも喝采のために踊っているような事を
あけすけに話していたものでしたが(彼はいつも危ない程に直球でモノを言うので、時には
ハラハラさせられますが^^;)ルドルフ・ヌレエフがエイズという病気を抱えた状態であっても
50代半ばになっても踊り続け、ブーイングが出てもそれでも踊り続けていた・・・・・・
そんなエピソードをしんみりと語り、
「でもその気持ちがわかるな。対象はお客様じゃない。ただただバレエが好きだから・・・」
と静かに語るので、熊川さんもヌレエフに負けない程に舞台上で踊ることを愛してるのだろう・・・
と感じさせられて、なんとも胸に迫るものがありました。

若い頃よりもバレエという美しくも残酷な程に厳しい世界に魅せられている熊川さんの心情が
ぐんぐん胸に伝わってきて、誰もいないリニューアルされたオーチャードの舞台上で
一人、動き回る姿を見てると、彼も本当は「シンデレラ」の初演は自分が踊りたいのだろうなぁ・・・とも感じました。

そして40歳という年齢で7ヶ月も踊らないということへの恐怖やそんなに長く健康なのに
舞台に立たないという事で、筋肉などの肉体上の不安や舞台への渇望をも素直に口に出す熊川さん。
「窒息するかもしれない」
と、そこまでの思いを封印しても、それ以上にK-Balletの将来を思い、成長を願う思いが
強くなってるのは、ディレクターとしての責任、Kへの愛情が深くなってきたからなのでしょうね。

そして振り付けも全体象も出来上がった今は(宮尾俊太郎さんが書かれたブログを
読むと、もう全体像は出来上がったのでここからはFull outで、全力で踊るのみ
ということなのですが、完璧主義の哲也ディレクターのことなので、きっと厳しいリハが
続いてるのではないかと思います。
観客を渾身のファンタジーの世界にいざなうために・・・・・


また、紹介された美術や衣装の写真を見てるだけでも、ペローの描いた絵本以上の
夢の世界が舞台上でくりひろげられるであろうことも、期待されます。

美しい、美しい馬車ですよね
K-Balletの作品では、最近毎回タッグを組まれるヨランダ・ソナベンドさんのご自宅を今回も熊川さんが
訪問していましたが、私はこの方のご自宅が大好きなんです。
なんだか、ちょっと不思議な魔法使いの家のような雰囲気が漂っていて、
(ちゃんと猫もいますし(^_^)v)ヨランダさん自身がまた哲也君が創ろうとするバレエに
魔法をかけるためのエッセンスを吹き込んでくれるように感じます

哲也君自身もヨランダさんが描く絵の魅力も魔法をかけてもらうようで、顔をよれよれにして(笑)
「またヨランダの絵がいいんだよねぇ。美しいだけでなく妖艶で官能的で、人間の柔らかさと
ヨランダさんの鬼才の角ばったものがブレンドされると・・・綺麗なんだよね」
と、熱く語ってる様子を見ていると、やはり彼自身もヨランダさんに魔法をもらってるご様子です。
でも、こういう時には本当に幸せそうな表情をされるのが本当に素敵です。
ヨランダさんの家で出来上がった衣装の絵ににうっとりしながら携帯で写メする熊川さん
そんな時の彼は、純粋にバレエが大好きだった子供の心のままなのではないでしょうか。
このバレエ愛と情熱があるからこそ、あれだけの凄い仕事がこなせるのでしょうね。

出来上がったセットに見とれつつも「ここに時計を見せたい」と原作を大事にしつつも
「この階段の場所だとダンサー達が踊れない」と、小さいセットを見ながらでもダンサー達を
どう動かしてどうセットの空間を使うかもきちんとイメージし、空間を計算しながら指示する力は、
今更ながら凄いなぁ・・と驚かされてしまいます。

そして舞踏会のシーンのセットの美しさ!!
「ちょっと照明落としてみて!!」と哲也君に言われた後に現われたのは、まさしくKの舞踏会に
招待された美しい煌く舞踏会の世界でした
キラキラした世界が、そこに現われた時の感動とこれが舞台になった時の姿を想像して、思わず
ドキドキしたのは、そこにいたスタッフだけでなく、十分にTVを通しても伝わってきました。
きっと熊川さんもあの美しい舞台の上で踊りたいだろうなぁ・・・とも思いましたが、
今の彼は我慢・・・・・・・
でも哲也さん、若手で大成功をおさめた後には、どうかこの「シンデレラ」での全国ツアーと
そして哲也王子様での上演もぜひぜひ叶えて下さいね。

お稽古場での振り付けの様子も少し見せてくれましたが、今回なんと、熊川さんは45曲で86役もの
振り付けをする!!ということにまず仰天。
その上、今回は5組の主役がいるので、その5組(10人)の細かな振りやその動きをも
全部チェックされるのです。
もちろん、門番などの端役にも自分が自ら動いて振付けてる様子を見てると、ディレクターの凄さに圧倒されます。

振り付けは、音楽とダンサーの動きを見ながらつけていってるようですが、
(もちろん全体象は脳内にあるのでしょうけど、実際に動いてるダンサー達を見てると
また、新しいイメージがわいてきたり、逆に違うと感じたりすることもあるのではないかと思います)
その、振り付けしてる時の熊川ディレクターの様子が尋常ではないのです。
いつも舞台で役になりきって踊ってる熊川さんやTVのトーク番組などで見せる顔では全くありません!!

なんというか・・・・ちょっとトランス状態になったようにも見えるのです・・・・・・
彼の目線はどこを見てるのかわからないような怖い雰囲気さえあり、
そして音楽を口でカウントしたり、何か台詞を言ってるように思える時も・・・
いきなり動きが止まった時の彼には、まさしく「降りてくるのを待つ」という表現がぴったりで、
なぜか、その振り付けてる熊川さんの姿、止まったまま音楽をカウントしつつ
手だけを動かしてる、その様子を見てるとどうしようもなく泣きたくなりました

衣装合わせでも一番見たことないような王子様の絵を選んでいましたが、
それを着た宮尾君がいつも以上に綺麗に見えたのが嬉しかったのですが、それでも
「リアルな王子様にしたくない!」という熊川さんのこだわりがまだまだ
ヨランダさんの本来の絵の姿に似せるための努力を続けるのです。


でも、一幕のでの独特の衣装をつけたシンデレラ役の松岡さんのスカート丈を上げるのに
彼女のスカートを上げてる様子を見てる時には、やっぱりドキリとしました^^;

熊川さんのお気に入りバレエも3作紹介されましたが、一作目は最初にエピソードを語ってくれた
「白鳥の湖です。」これを踊る時は、どんな時でも真っ白な気持ちに戻れるそうです

そして因縁の相手アリを乗り越えた「海賊」は、やはり男の憧れであると
「海賊」は男の憧れである七つの海、サーベル、そしてバレエ的にも技術満載で、
ロイヤル時代からヌレエフガラなどでも踊ることの多かった十八番的な作品ですが、でも、
その作品をこんなにもドラマティックで男のアドベンチャー、そしてアリをここまでコンラッドへの
思いの深いキャラにしたのは、ちょっと日本的でもあるかなとも語っていました。

3作目は、やはり彼の復帰作である「第九」です
この番組のインタの最中も第九の口笛を吹いていた熊川さんにとって、この作品は
やはり格別な思いがありようです。日本人に一番愛されてる作品であり、そして彼にとっては
ベートーベンは肉厚のステーキのようなものだそうです。
(ちなみにモーツァルトはサラダだと語っていましたが、哲也さん!!せめてモーツァルトは
Sweetあたりと表現してくださぁあい<m(__)m>)

ただ、こんな風にバレエや音楽への熱い思いを語ってくれる熊川ディレクターが心身を削って
創り上げた「渾身のファンタジー」シンデレラはの思いは確実に強くなりました。
この作品で熊川さんは踊ることはなくとも、全ての踊りの中に熊川さんのバレエ愛がこもってる、
そう実感しました

オーチャードホールに行ったことのない私なので、ホールの椅子に座って語る熊川さんを
観ながら、ここで「シンデレラ」の世界に行けるのかと期待に胸が躍るような気持ちと
改めて熊川さんの背負ってるもの、能力に驚かされる番組でもありました。
本公演が近づいた今頃は、厳しいお稽古が続いてると思いますが、どうか団員の皆様、
体調や怪我には気をつけて、輝くシンデレラの世界で煌きを思う存分に放ってくださいね!!

心から楽しみにしています