昨日は、待望の熊川哲也サマのくるみ割り人形を見てきた。

以前ニュース番組が今回の哲也くんのくるみ公演の特集をしてたので、どんなにスケールの大きな作品になっているかと、おおよその期待はありましたが、予想以上でしたっ!


私が熊川哲也というダンサーを知ったのは、彼がまだ16歳の頃、ローザンヌコンクールというバレエのコンクールに出てる彼をテレビで見たのがきっかけ。その時の哲也くんが、あまりにチャーミングで上手で群を抜いていたので、驚いてそのまま夢中になってしまった(^-^;
それ以来、「くまかわてつや」という名前は私の中では消えないものになってしまった☆

英国ロイヤルというイギリスのバレエ団に入った哲也くんを、大阪で見る機会はそう多くはなかったけど、それでもロイヤルの来日公演など、彼が出る公演は出来るだけ足を運んで、その重力から解き放たれたような高いジャンプや、永遠にでも回り続けられそうな美しいピルエットに心を奪われ、彼を見るたびに幸せな気持ちになったものでした♪

そんな彼が、名門ロイヤルを飛び出して自身のバレエ団を結成し、監督、経営まで自分で始めた頃は驚きと心配と両方の気持ちがありました。でも、「くまかわてつや」というダンサーは私の危惧や予想をはるかに超えた器であったということを、最近の舞台を見るたびに感じさせられている。

舞台をプロディースする力があることは、ロイヤル時代から匂わせてはいた。まだロイヤルにいた頃、彼がロイヤルのダンサーたちと組んで、自分で創った「メイド・イン・ロンドン」という公演を3年ほどやってた頃がありましたが、これは今までのバレエ公演の概念を頭っからくつがえす驚きの舞台でした。

なんというか・・・・バレエ公演に行って抱腹絶倒したのはこれが初めてでした(^^;

おそらく、伝統的なことを大事にするエライ人からはにらまれるかもしれないけど、普段のクラシックの公演では絶対に見せないような部分を見せたり、男性舞踊者が女性の動きをしてみせたり、(もちろんその逆も見せてくれた!)リズムもテンポも流れもよく、ジャズからクラシックまでギャグさえも取り混ぜながら、充足感たっぷりで見せてくれる楽しい舞台でした。

でも、最近の彼は古典に重心を置いている。
白鳥の湖、眠りの森の美女、ドンキホーテ、コッペリア、くるみ割り人形、など。
こういう伝統的な作品に、古典の美しさ、伝統を大事にした上で、さらに彼なりの改定も加えている。

簡単には表現できないけど、よりドラマティックにスピーディに・・・というか、初めて見たお客様をもぐんぐん話しの中に引き込んでしまう展開になってるものが多いように思う。

今回のくるみも従来のくるみとはかなり違っていた。
前日の公演を見た友達から、「今までのくるみの公演は頭の中から消しゴムで消して、真っ白な頭の状態で見てね」ってメールをもらったが、本当にそのとおりで、見たまま感じて、音楽と展開するストーリー(かなりスペクタクルでもある!)に心を集中するのは至福の時間でした♪
美術も美しく、一つ一つの場面が今も名画のように思い出される。

哲也王子の踊りはノーブルで美しかった。相変わらずの高くてきれいなジャンプだけでなく、女性を美しくサポートする力も備わり、それに群舞と踊る時はぴったりと調和していた。

ただ、カーテンコール時の厳しい監督としての顔を見てると・・・・かつての、自分だけが高く飛んでお客様が喜ぶことを無上の喜びのように感じ、いたずらっ子みたいにしていたロイヤル時代の哲也くん・・・を思い出して、不思議な寂しさも感じてしまった。

哲也監督は今、お給料もまともに出ないという日本のバレエ界のありかた自体を変えようと奮闘している。なんと進化しているんだろうか!!とすごく感動させられる。

それでも、ロイヤル時代のように、ただただ、踊ることに全てのエネルギーを注ぎ込み続けていたとしたら・・・・そしたら、どんな舞いを見せてくれたのだろうか・・・・ダンサーとしての彼をこよなく愛してきたゆえに、どうしてもその思いが心をよぎってしまうのだ(哲也くん、ごめんなさい)

かつては彼の踊りを見るたび、哲也くんは神様から重力というこの世の法則を越えることを許された、選ばれた人なんだと強く感じさせられていただけに、ある意味、そういう彼がダンサーしながらの監督、ではなく、監督、経営者しながらのダンサーに変貌していくような気がしてしまったから。

けど、以前よりも彼に重みを感じてしまったとしたのは、それはダンサーとしての重みでなく人としての重みなのかもしれない。
今の彼はジャンプのみの高みでなく、人としても舞台人としてもっと高い次元に入ろうとしているのかもしれない。

でも、何度かのカーテンコールの後で、哲也くんが1人で出てきた時、やっといつも可愛いスマイルを見せてくれた!!

私は本当に哲也くんが大好きだっ☆
これからもずぅっと見ていきたい!!
できるだけ長い間。
これからもまた進化し続けていくであろう、素晴らしいダンサーとしての彼も、人としての彼も・・・・

来年はドンキホーテの再演があるらしい。
友達は中国の上海公演まで見に行くと張り切っている。
お財布は寒くなるが、私たちの心の中はすごくホットだ!
ありがとう。哲也くん!