息子の性事情を干渉する母親(2)
「ヒロ君とセックスしてないでしょう?
ヒロ君には、結婚するまで綺麗な身体でいて欲しいのよ・・・。
だから、もし美砂ちゃんがね、そういうの好きなんだったら、
他の男の人と付き合った方がいいと思うのね・・・。」
「まだ・・・してませんから、大丈夫です・・・。」
おぞましいオーラに圧倒されて、咄嗟に嘘をついた私。
ここでもし、 「宏樹君とは知り合って4ヶ月で肉体関係を持ちました★」 なんて言ったら、それこそ無理矢理に別れさせられてしまうと思ったのです。
実際、嘘をついて正解でした。
「そうよね・・・。 だってまだ結婚もしてないもんね。
もし美砂ちゃんがそういう子だったらどうしようかと思ったワ。
最近の子って軽いから、結婚してなくても簡単にしちゃうじゃない。
私やお父さんなんてお見合い結婚だったから、
デートだって2回しかしなかったのよ。 手も繋いだ事なかったんだから。
でもね、本来はこれが普通の男女交際なのよ?」
なんというプラトニック。 私はアバズレなので、結婚もしていないうちから彼氏とデートを楽しんだり、キスをしたり、肉体関係を持ったり、外泊したりしてます。 なので、ママとパパのような事例を探す方が大変だと思うのです。
時代錯誤も甚だしいママのありがた~い説教に相槌を打っていると、ふいにママは私に鋭い視線を向け、尋ねました。
「美砂ちゃんはオトメよね?」
オトメ・・・・・・?
乙女・・・?
音姫?
「・・・違うの?」
ってか! オトメって何ですか!!
処女(バージン)って事!?
蛇に睨まれた蛙のように硬直した私をママが見据えます。
「い、いえ・・・オトメです・・・。」
私も一応現代っ子。 人並みの恋愛はしてきたつもりだし、Bカップの貧相な胸には、甘酸っぱい素敵な想い出がたくさん詰まっています。 初めて大人の遊園地へ行った元カレ、ちょっと痛い目に遭った職場恋愛、身体の相性が良くてなかなか別れられなかった元カレ・・・。
そう。 私の上を通り過ぎて行った男は数知れません!!(本当は4人くらい)
本当にアバズレです!! ママごめんなさいね!!
私がオトメであると聞いて安心したのか、ママは笑顔に戻りました。 そして小一時間、オトメであった頃のママのモテ期の話を聞かされました。 ひとしきりママの自慢話昔話を聞き終えた頃、宏樹から電話が入って私は帰宅する事に。
家に帰って宏樹にママとのやり取りを話すと、彼は深い溜め息をつきました。
「本当に・・・言う通りだよ・・・。」
「でも、お母さんも宏樹の事を想って言ったんだと思うし、
そんなに責めないであげてよ。 私は別に構わないんだから。
私たちの世代と親の世代とじゃ貞操観念がまったく違うし・・・。」
「・・・はぁ?」
「・・・え? 何??」
「母さんの言う通りだっつってんの。」
「な、何が?」
「俺は今まで女と付き合った事なんか無かったんだよ・・・。
俺にとってはお前が何でも初めての相手なんだよ。」
「うん。 ならいいじゃん?」
「お前は違うんだろ? お前は母さんに嘘を言ったんだろ?
本当はどこぞの男と付き合ったりしてたんだろ?」
「何でそんな事を今更持ち出すの!?
そんなの付き合う前から分かってた事でしょ?
嫌なら始めから付き合わなきゃ良かったんじゃないの!?」
「そういう事を言ってんじゃねえよ・・・。
お前の節操の無さに呆れてんだよ。
母さんに真実も話せないような、後ろめたい過去があるんだろ・・・。
そりゃ母さんも反対するわな・・・。」
「・・・私はどうすればいいの? 結婚なんてやっぱり無理なんじゃない?」
「かもね。 俺が良くても母さんが認めないよ。」
「そっか・・・。 宏樹はお母さんには逆らえないもんね。
それならそれでいいんじゃない?
宏樹の人生だもん。 私じゃ駄目なら仕方が無いよ。」
こうして別れ話が出ると、始めは強気な宏樹も徐々に態度を和らげ、宏樹が謝って仲直りしてしまうのです。 でも、こんな些細な喧嘩の度に宏樹の口から出る 「母さんが・・・」 という言葉。 正直、これにちょっと引いてしまうのです。