ダーリンはマザコン -14ページ目

息子の性事情を干渉する母親(2)

「ヒロ君とセックスしてないでしょう?

 ヒロ君には、結婚するまで綺麗な身体でいて欲しいのよ・・・。

 だから、もし美砂ちゃんがね、そういうの好きなんだったら、

 他の男の人と付き合った方がいいと思うのね・・・。」



「まだ・・・してませんから、大丈夫です・・・。」




おぞましいオーラに圧倒されて、咄嗟に嘘をついた私。

ここでもし、 「宏樹君とは知り合って4ヶ月で肉体関係を持ちました★」 なんて言ったら、それこそ無理矢理に別れさせられてしまうと思ったのです。


実際、嘘をついて正解でした。





「そうよね・・・。 だってまだ結婚もしてないもんね。

 もし美砂ちゃんがそういう子だったらどうしようかと思ったワ。

 最近の子って軽いから、結婚してなくても簡単にしちゃうじゃない。

 私やお父さんなんてお見合い結婚だったから、

 デートだって2回しかしなかったのよ。 手も繋いだ事なかったんだから。

 でもね、本来はこれが普通の男女交際なのよ?」




なんというプラトニック。 私はアバズレなので、結婚もしていないうちから彼氏とデートを楽しんだり、キスをしたり、肉体関係を持ったり、外泊したりしてます。 なので、ママとパパのような事例を探す方が大変だと思うのです。


時代錯誤も甚だしいママのありがた~い説教に相槌を打っていると、ふいにママは私に鋭い視線を向け、尋ねました。






「美砂ちゃんはオトメよね?」






オトメ・・・・・・?



乙女・・・?



音姫?






「・・・違うの?」






ってか! オトメって何ですか!!

処女(バージン)って事!?



蛇に睨まれた蛙のように硬直した私をママが見据えます。




「い、いえ・・・オトメです・・・。」




私も一応現代っ子。 人並みの恋愛はしてきたつもりだし、Bカップの貧相な胸には、甘酸っぱい素敵な想い出がたくさん詰まっています。 初めて大人の遊園地へ行った元カレ、ちょっと痛い目に遭った職場恋愛、身体の相性が良くてなかなか別れられなかった元カレ・・・。




そう。 私の上を通り過ぎて行った男は数知れません!!(本当は4人くらい)


本当にアバズレです!! ママごめんなさいね!!




私がオトメであると聞いて安心したのか、ママは笑顔に戻りました。 そして小一時間、オトメであった頃のママのモテ期の話を聞かされました。 ひとしきりママの自慢話昔話を聞き終えた頃、宏樹から電話が入って私は帰宅する事に。




家に帰って宏樹にママとのやり取りを話すと、彼は深い溜め息をつきました。




「本当に・・・言う通りだよ・・・。」



「でも、お母さんも宏樹の事を想って言ったんだと思うし、

 そんなに責めないであげてよ。 私は別に構わないんだから。

 私たちの世代と親の世代とじゃ貞操観念がまったく違うし・・・。」



「・・・はぁ?」



「・・・え? 何??」



「母さんの言う通りだっつってんの。」



「な、何が?」



「俺は今まで女と付き合った事なんか無かったんだよ・・・。

 俺にとってはお前が何でも初めての相手なんだよ。」



「うん。 ならいいじゃん?」



「お前は違うんだろ? お前は母さんに嘘を言ったんだろ?

 本当はどこぞの男と付き合ったりしてたんだろ?」



「何でそんな事を今更持ち出すの!?

 そんなの付き合う前から分かってた事でしょ?

 嫌なら始めから付き合わなきゃ良かったんじゃないの!?」



「そういう事を言ってんじゃねえよ・・・。

 お前の節操の無さに呆れてんだよ。

 母さんに真実も話せないような、後ろめたい過去があるんだろ・・・。

 そりゃ母さんも反対するわな・・・。」



「・・・私はどうすればいいの? 結婚なんてやっぱり無理なんじゃない?」



「かもね。 俺が良くても母さんが認めないよ。」



「そっか・・・。 宏樹はお母さんには逆らえないもんね。

 それならそれでいいんじゃない?

 宏樹の人生だもん。 私じゃ駄目なら仕方が無いよ。」




こうして別れ話が出ると、始めは強気な宏樹も徐々に態度を和らげ、宏樹が謝って仲直りしてしまうのです。 でも、こんな些細な喧嘩の度に宏樹の口から出る 「母さんが・・・」 という言葉。 正直、これにちょっと引いてしまうのです。